古くて新しい「作業療法って何?」という問いへの
私なりの答えです。
「作業療法とは?よっしーver.」追加しました。
8月 04
認知症のある方が突然立ち上がって
歩けないのに歩き出そうとすると
大抵の人は「立っちゃダメ」「立たないで」って言うと思います。
それは
「立たないで座っていて」「歩かないでじっとして」
と言う意味で言っています。
でも
認知症のある方は言外の本当の意味を忖度してくれないので
そのように言われても立とうとして歩き出してしまいます。
それをみて
(認知症だから何を言ってもわかってくれない)
という気持ちになるのかもしれません。
本当は
認知症のある方には伝わらない声かけをしていて
認知症のある方が行動修正できないのだとしたら
修正すべきは、こちらの声かけです。
認知症のある方に伝わる声かけを模索すべきではないでしょうか。
例えば
「止まって!」「ストップ!」
安全を確保してから
「どうしたんですか?」「どこに行こうとしていたのですか?」と尋ねます。
同じ意味で
「そっちに行っちゃダメ」
も伝わりにくい言葉です。
そっちに行かないで、どこになら行っても良いのでしょうか?
それがわからないと行動を変えてもらえません。
だとしたら
例えば
「こちらに来て」
こちらに来てもらえれば、結果として、そちらには行かずに済みます。
言葉は相手に伝わってこそ言葉です。
8月 03
私は、重度の認知症のある方のActivityとして折り紙は難しいと考えています。
七夕などでお馴染みの輪くさりを作ることも難しい方が多いです。
詳細は上の記事をご覧いただきたいのですが
折り紙を上手に仕上げるためには
・角と角、縁と縁をズレないように合わせて折ることができる
という能力が必須です。
けれど、アルツハイマー形認知症のある方は
定義上高齢者なので手指の巧緻性が低下している場合が多くあります。
ズレないように合わせて折ろうと思っても
身体が思う通りに動かないので
綺麗にできない、場合によっては折り進めることが難しくなってしまいます。
また、アルツハイマー型認知症以外の認知症でも
構成障害があると
折り方を説明する時に
隣の職員が一緒に折って「ここをこうしてこうやって」という説明を認識・再現することが困難です。
できないことをやってもらい
仮にできなかったとしても、刺激になるからやった方が良い
とは私にはどうしても思えません。
立場を変えて自分に置き換えてみて
刺激になるから
「数学は論理的思考力のトレーニングに良いから」
「外国語を学習するのは文化の違いを知るのに良いから」
と言われて行う人がどれだけいるのでしょうか?
日々の暮らしだけで
失敗体験・喪失体験を積み重ねていく認知症のある方に対して
不必要に余分にそれらの体験をしてほしくはありません。
8月 02
ラジオ体操第一は、おすすめのActivityです。
今のお年寄りは
ご自身あるいはお子様のために
夏休みは、早朝に地域の公民館に集まって
首から下げたカードにハンコを押してもらったり押してあげたりしていた世代です。
ラジオ体操第一は手続き記憶として残っていることがとても多いです。
反面、みんなの体操は最近の体操なので手続き記憶としては定着していない体操です。
その違いを踏まえて
二つとも集団体操として組み込むと
手続き記憶や構成障害のスクリーニング、運動習慣などの情報を得ることができます。
また、集団体操中に逸脱言動のある方は
どうしてもスタッフの善意で集団の輪の外へ連れ出されてしまいがちですが
かなりの割合で部分的に運動ということが認識できていることが多いです。
部分的な故に混乱してしまい、その混乱を適切に表現できないだけという。。。
そんな時には、むしろ逸脱言動のある方は
見本を見せている私の真横に来ていただいて
みんなが体操をしているところを視覚的に認識しやすい状況を作ると
逸脱言動は結果としてなくなる場合がとても多いです。
また構成障害のある方には
私の真正面に座っていただくと認識・再現しやすくなります。
物理的距離・空間の位置は認識に影響を及ぼす
「声かけの工夫>声かけ再考>視覚情報>物理的距離」で記載したとおりです。
座席配置の工夫の必要性について配慮がないと
その方の本当の能力発揮を阻害してしまうことがあるのです。
また、誘導にも工夫が必要です。
「体操しましょう」と誘っても拒否される方の中に
輪の中に入るのは嫌だけど、遠くから参加しているという方も少なくありません。
あるいは、誘導に拒否したけれど
いざBGMが流れ体操が始まるとご自身の席で体操していることもよく見かけます。
言葉だけに頼らずに行動をよく観察する
ということは、強調してもしすぎることはないと感じています。
「何を」するか
ということはかなり検討されても
「どのように」行うか
ということについては、まだまだ検討の余地があると考えています。
8月 01
サイトの記事を更新しました。
重度の認知症のある方でも楽しめるように
Activityの選択をどのように考えたら良いのか
どんな工夫をしたら有益なのか
実際にどんな種目があるのか。。。などなど
こちらから
いろいろご覧ください。
7月 31
東京都西多摩医療圏内の医療・介護従事者限定ですが
9月17日(金)18:00〜20:00に
オンラインセミナー「認知症のある方も食べられるようになるスプーンテクニック」が開催されます。
主催は
羽村三慶病院認知症疾患医療センターさん。
該当する方で興味のある方がいれば
あるいはお知り合いに該当する方へご案内いただければと思います。
7月 31
新しくコンテンツを追加しました。
バリデーションの紹介 と
簡単ご飯 です。
バリデーションは
最近めっきりとメディアに取り上げられることは無くなりましたが
埋もれてしまうには惜しい考え方と実践なので
1人でも多くの方に知っていただきたいと思い
本やDVDなどを紹介したいと思います。
仕事で忙しかったり
ご家族のお世話があると
簡単にできて美味しいメニューの幅が広がると嬉しいですよね。
私自身の備忘録も兼ねて作りました。
よかったら、お立ち寄りください。
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