作業療法とは? よっしーver.

 

「作業療法とは何か?」

まずは、こちらの動画をご覧いただきたいと思います。

神奈川県作業療法士会のスペシャルコンテンツ
「絵本でみる作業療法」の中から
「冬の麦わら帽子」と言う絵本の解説を担当しました。

作業療法士の仕事についてレビー小体型認知症のきくさんを例に解説しました。
その他にも「ぞうさん占い」「床屋さんの左手」「娘はバレリーナ」という作品がアップされています。
ぜひこちらへもお立ち寄りください m(_ _)m

 

いかがでしたでしょうか?
作業療法士の頭の中、ご理解いただけましたでしょうか?

 

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さて、ここからは私の頭の中を。

 

「作業療法って何だろう?」
とは多くの作業療法士が言葉にします。

「作業療法は素晴らしい」
「作業療法は言葉にするのは難しい」
「作業療法を理解してもらうのは難しい」
みんなよく聞く言葉ですよね。。。

私はこれらは、とてもおかしな言葉だと感じています。

なぜ、「ちゃんと作業療法ができるようになりたい」とは言わずに
作業療法の言語化の困難や理解の得にくさばかり言葉にされるのでしょうか?

OTジャーナルの「提言」で記載したとおり
人は体験したことを理解するのであれば
体験していないことは理解できないとも言えます。

作業療法を理解・言語化できるようになりたいのであれば
作業療法士として結果を出すことです。
そして結果が出たことを喜んで終わりにするのではなくて
出た結果を一般化・抽象化する思考努力を積み重ねていくことです。

臨床場面で
対象者の方へ提供するActivity、場面設定、声かけ一つ一つ
それらを吟味検討の上、意図的に行っていますか?

なぜ、そのActivityなのか
なぜ、その場面設定なのか
なぜ、その言葉なのか
なぜ、そのほかのActivityや場面設定や言葉ではないのか

臨床場面の一つ一つが根拠のもとに為されていることが大事です。

ここでいう根拠とは
自分自身の決定についての考えのことです。

自分はこう考えるから
適切かどうか試すためにやってみよう
という自身の選択を自分が明確化できていることが最も重要です。

ここまでは確実に言えるけど
ここから先は今はわからないと明確化できることも大切です。

日々の臨床を大切に積み重ねていく
その先にあるのが「作業療法とは何ぞや?」という答えです。

Activityを提供しない=作業療法ではない
と言う図式も成り立ちません。
「作業」の定義には、人が行う生活行為全般も含まれていますし
私たちは作業療法士として養成されてきたので
何をしても作業療法以外のことは実践できないのです。

自分が今いる職場で
目の前の対象者に
求められていることを誠実に実践していきましょう。

仕事なんですから
自分がやりたいことをやるのではなく
求められていることを求められている以上に実践してみせれば良いではありませんか。

日々結果を出し
その結果を一般化・抽象化するように検討し
実践と概念を相互にフィードバックさせながら
さらに実践を深め蓄積していきましょう。

その先にこそ、答えがあります。

自分自身が誠実に積み重ねてきた実践が答えさせるので
誰に理解されても理解されなくても関係ありません。

大切なことは他職種に作業療法を理解してもらうことではなくて
目の前にいる対象者の方に作業療法士として寄与できるということです。

チームの構成メンバーに対しては
該当する対象者ごとに
自身の実践と実践の根拠を言語化できることは必須です。

「作業療法を言葉にして説明するのは難しい」と言う人は
本当は、作業療法の言語化ができないのではなくて
日々の実践を言語化できないのではないでしょうか?

そのことに向き合うことが怖くて不安で
作業療法全般にすり替えているのではないでしょうか?

自身の実践とその根拠が説明できないのに
作業療法全般を言語化できるわけがありません。

「作業療法とは何ぞや?」と考える前に
「作業療法士として結果を出す」ことに向き合う。
結果を出しているという方は、出た結果を一般化・抽象化する努力を積み重ねる。

考えてみてください。

飛行機のパイロットが
「パイロットは素晴らしい」
「パイロットの素晴らしさをアテンダントや整備士に知ってもらおう」
なんて言っているでしょうか?

弁護士が
「弁護士は素晴らしい」
「弁護士の素晴らしさを検察や裁判官に知ってもらおう」
なんて言っているでしょうか?

作業療法士が
「作業療法は素晴らしい」
「作業療法の素晴らしさを他職種に理解してもらおう」
と言うのは、そのくらいおかしなことなんです。

ご参考までにこちらも。
一般社団法人神奈川県作業療法士会「作業療法の魅力を語る」より
「私たち自身の在りようを見つめる」

こちら
ウン10年前の私が臨床1年目の経験を記載してあります。
若い人にはぜひ読んでほしいと思っています。

また
この記事「関与しながらの観察とは」には
臨床家としての大切な在り方を記載しました。
作業療法士や対人援助職としての基本であり本質について触れています。
ぜひ、お読みください。

 

最後に私の作業療法論

「作業療法とは、
 その人がその人の困難に向き合う時に
 良い面を良い方向で活かせるように援助する仕事」

です。

 

そして
「作業療法とは、語り合うものではなくて実践するものだ」
と考えています。