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4大認知症について

 

アルツハイマー 型認知症 SDAT:Senile Dementia Alzheimer Type
前頭側頭型認知症    FTD:Front Temporal Dementia
レビー小体型認知症   DLB:Dementia with Lewy Bodies
脳血管性認知症     VaD:Vascular Dementia

上記4疾患が4大認知症と言われています。
それぞれに特徴的な症状を記載しました。
また臨床での現れ方として代表的な事例を列記してあります。

 

アルツハイマー型認知症 SDAT:Senile Dementia Alzheimer Type

 ・近時記憶障害(数分〜数日前の記憶の障害)
   近時記憶→遠隔記憶→即時記憶の順に低下

    【 事例 】:近時記憶障害
     「ここにいていいんですか?」
     「骨折したことを忘れる」

    【 事例 】:遠隔記憶障害
     「旧姓を名乗る」

    【 事例 】:即時記憶障害
     「椅子に座ることができない」


 ・見当識障害
   日時→場→人物の順に低下

    【 事例 】:日時の見当識障害
     「日課の表示」
      日時を覚えなくてもその都度確認できるように
      時刻とともに日付や曜日を表示している時計を導入したり
      該当時刻にすべき日課をあわせて表示しておきます。

    【 事例 】:場の見当識障害
     「家に帰る!」

    【 事例 】:人物の見当識障害
     「『私は誰?』って聞かないで」


 ・視空間認知障害
  (対象の空間内の位置や複数の対象物の空間内の位置関係の視覚性認知障害)
    【 事例 】:「2階はどこ?エレベーターはどこ?」

 
 ・遂行機能障害
  (問題解決とプランニングの障害)
   意図・計画・立案/実行・評価・修正/目標保持のいずれかあるいは複数の障害
    【 事例 】:「ボタンかな?」
    「非習慣的遂行機能の評価」 


 ・失行
  (運動障害・感覚障害がないが、合目的的な行為の障害)
    【 事例 】:観念失行「水分拒否?失行!」
    【 事例 】:着衣失行「服の選択」「履きやすい靴下」


 ・言語操作能力の低下
  (長文の理解が困難、意思や感情の表出が低下)
    【 事例 】:声かけの工夫さまざま 

 

前頭側頭型認知症    FTD:Front Temporal Dementia

 ・影響性亢進(視覚的・強迫的音読)
   視覚的被影響性亢進(目で見た動きにつられて同じように行動してしまう)
    【 事例 】:「発声練習で指を動かす」
   強迫的音読(見たものを声に出して言わずにいられない)
    【 事例 】:「あ、男が来た」
 
 ・脱抑制(性的逸脱行為や万引きなど前頭葉の抑制が効かなくなる) 
 ・口唇傾向(手にしたもの、目で見たものを口へ持っていってしまう)
 ・常同行動(同じ行動を繰り返す)
 ・転導性亢進(注意があちらこちらに散ってしまう)
 ・食行動異常(食べられないものを食べてしまう、同じものを食べ続ける)
   

 

レビー小体型認知症   DLB:Dementia with Lewy Bodies

 認知症状・精神症状・身体症状のいずれかで発症し
 病状が進行するとこの3兆候がそろう

 ・認知機能の変動(1日のうちで認知が良い時と悪い時と変動がある)
 ・持続性反復性の幻視(現実にはないものが繰り返し見えてしまう)
 ・錯視(現実にあるものを違うものと見間違える)
 ・人物誤認妄想(特定の人を他人と認識してしまう)
 ・パーキンソニズム(手足の震え、すくみ足、突進歩行、バランス低下など)
 ・自律神経障害(起立性低血圧、排尿排便障害など)
 ・レム睡眠行動障害(睡眠中に夢の中と同じ言動をしてしまう)

 

脳血管性認知症     VaD:Vascular Dementia

  遂行機能障害・感情障害・精神症状の動揺性・神経兆候合併

 

軽度認知障害      MCI:Mild Cognitive Impairment 

  2003年診断基準提唱
1) 本人・家族から認知機能低下の訴え
2) 認知機能:正常ではないが認知症の診断基準は満たさない
3). 複雑な日常生活動作障害(+)基本的な日常生活機能は正常