Activityの選択・工夫あれこれ

  

余暇活動、Activityをどのように選択して
どのように工夫したら、認知症のある方に楽しんでいただけるか
実は、作業療法士でも悩みどころのひとつだとよく聞きます。
言葉にして明確に説明している作業療法士が案外少ないという現実もあります。
(こういう現実こそが問題なのだと考えています)

ある方法論は、HDS -Rが7/30点の方でも使えると言いますが
HDS -Rが6/30点以下の認知症のある方は、どうしたらよいのでしょうか?
HDS -Rが6/30点以下の認知症のある方は大勢います。

また、以前に私が受講したある研修会で、作業療法士の講師は
受講した理学療法士に
「Activityを提供する時には、どのように考えたらいいんですか?」
と質問され、「そんなものはない」と答えていました。。。
私はびっくりしました。
「自分がわからない」ことと「存在しない」ということは別物ですよね?

老健や訪問リハの現場では
作業療法士が理学療法士のような立場でリハを提供することもあれば
理学療法士が作業療法士のような立場でリハを提供することもよくあるから
そのような質問が出たのだと思います。
本質に迫る質問をされた理学療法士は、すごいなと思いましたし
会場にいた作業療法士がどう感じたのだろう?とも思いました。

一方で
「昔とった杵柄」とばかりに
過去の趣味を確認して、その趣味活動を提供したのに嫌がられてしまった。
という体験をした作業療法士は少なくないと思います。
実際そのような体験をもとにした文献を読んだこともあります。
その文献では「生活歴、過去の趣味活動は現在の活動選択とは関係ない」と結論づけていましたが
本当にそうでしょうか?

また
何もしないと認知症が進行してしまう
活発に日課を過ごしていただこうという善意から
あるいは、昼夜逆転を予防するという観点から
特に、デイケアやデイサービスといった場では
日中は何か活動して過ごしてもらおうと意図することもよくありますが
そのような活動参加に対して、拒否したり遠慮したりする認知症のある方は少なくありません。

「刺激がないと認知症が進行する」
と言う言葉もよく聞きますが
正確には「適切な刺激がないと認知症が進行する」ではないでしょうか。

なんでもいいから
やることに意義がある。とはちょっと違います。

例えば
私たち自身の余暇を振り返ってみれば
わかることです。

好きなこと、得意なことって
割と限定しています。

どんなことでもなんでもやる
という人が本当にたくさんいるのでしょうか?

「昔とった杵柄」も難しいもので
プラスに働く場合もあれば
「昔とった杵柄」だからこそ
マイナスに働く場合もあります。

認知症のある方が
余暇を余暇として本当に楽しめるように

自身の人生に
「私は私で変わらない」
「私は私なんだ」
と感じていただけるように

そう願って
このコンテンツを書いていきます。

 

   

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