困ることは良いこと

 


今年、新入職した人たちも
職場での見学も研修も終えて、ケースを担当し始めているんじゃないかと思います。

今は、実習も昔とは根本的に違ってきているから
実習の時と同じ気分でいると、1年目のセラピストとしてはかなり大変な思いをしているんじゃないでしょうか。
このあたりは、就職した職場によって千差万別だと思いますが。

いっぱい困って、いっぱい悩んでください。
困ることができるのは、良いことなんですから。
だって、できない自分をちゃんと自身でわかって克服しようとしてるんですから。

40年近く作業療法士をやってると、いろーんなセラピストに出会ってきました (^^;
ひとりの人として考えると、根性悪の人は少なかったけれど
セラピストとして考えると、「なんちゃってOT」は少なくありませんでしたねー。
最悪なのは、自分が困らないように目の前で起こっていることを歪める人たちです。
口先だけで(自分にとっての)問題が起こらないように立ち回ることができたって
そんなの全然偉くないですから。
そんなことできなくて良いですから。

困ることができるのは、それだけ真摯な証拠。
それがどんなに辛いかは、私も経験者だからよくよくわかります。
壁は乗り越えるだけが方策じゃありません。
遠回りしても良いし
潜り抜けたって良いし
正面切って乗り越えられるようにリベンジできる時は必ず来るから。

自分にとって本当に必要な課題は、必ず時を超えて形を変えて現前するから。

だから、頑張れー!
今でこそ、「仕事が早い」と言われる私ですが
1年目の時は、ToDoリストが増える一方でなかなか減らなくて
リストを見るたびに苦しかったことを覚えています。。。
そんな私でも努力の蓄積でできるようになりました。
最初に講演のパワポを作る時にはものすごく時間がかかりましたが
今は主催者と打ち合わせをしてイメージを作ってそのイメージを形にするのも早くできるようになりました。

脳の中にそのタスクを遂行するための回路がないから
できないのも、時間がかかるのも、間違えるのも仕方のないことなのです。
誰も最初から優れた技能を発揮できるわけじゃないのです。
千里の道も一歩からってホントなんです。
 
でも踏み出した道を間違えると後が大変。
間違えた道を歩き続ければ続けるほど、戻ってやり直すことが大変だからできなくなってしまう。
そんな人たちをたくさん知っています。
可哀想だなって思うけど、それもその人たちの選択なんですよね。
自分の選択は自分で責任を負えば良いけど
私たちの仕事はそれだけじゃ済まない側面があります。
そもそも、私たちの仕事は因果な商売なんだし。
そのことを忘れちゃいけないと思っています。

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