言葉の質的側面に注目してみます。
1)援助の言葉・意思表明の言葉
2)目的の言葉・手段(方法)の言葉
という二つに注目しておくと
ケアがずいぶんラクになってくると思います。
「声かけの大切さ」を否定する人はいないと思いますが
大切な声かけの何をどう気をつけたらいいのか
ということについて、議論が深まっていないと感じています。
あまりにも接遇面ばかりが注目され
「脳の障害」によって起こるのだということが軽んじられているように感じています。
どこかで
認知症=寂しい病、気持ちのせい
という誤認が拭いきれていないから起こっているように感じています。
同時に
私たちが通常使う言葉も
実はあまりよく吟味されずに使われている。
けれども受け手としては発信者の意向を忖度するということが
文化的に根付いているからこそ
婉曲な表現や遠回しな表現も成り立ってきたと言えるでしょう。
つまり
言語的コミュニケーションの豊かさ、繊細さ、多様性が成立するということは
発信者の表現力が高いだけではなく
受信者の感受能力が高いということをも意味しています。
接遇という面以外の
受信者に合わせた発信者の工夫は
ケアの分野ではまだ未開発の部分だと考えています。
ですが
日本人として、ベースに豊かな言語表現を持っているからこそ
可能性に満ちている部分だとも考えています。
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