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「声かけ再考」
「言葉は届いてこそ言葉」
8月 29

言葉は届いてこそ言葉
現場あるあるなのが
認知症のある方は職員に何か言われているのはわかるけど
何をいっているのかがわからない
だから自身の行動をどう修正したら良いのかわからない
というケースです。
声かけの工夫>聴覚情報>言葉 のところでも書きましたが
認知症は記憶の低下だけが症状ではありません。
その他にもさまざまな症状・障害が現れます。
その一つが言語理解力です。
ぜひ上記のページをご参照いただきたいと思います。
「そういえば。。。〇〇さんってこういうことだったのかな?」と
きっと思い当たることがあると思います。
どんなに敬語を重ねても
意思疎通がとれないと言われていた方に
意図的に言葉を選択するようにしたら
見事に疎通がとれるようになったというケースは山ほどあります。
介護拒否、暴言、暴力というカタチで現れている中に
「何を言われているのかわからない」
からで
何を言われているのかわかるように伝えたら
介護拒否、暴言、暴力が減少することは山ほどあります。
対象者の言語理解力を評価した上で
適切に使う言葉を選択する
当たり前のようでいて
実は現場ではなかなか為されにくい
職員主体の声かけは、まだまだ多いのが実情です。
「必ず敬語を使う」
というのは善意からの発想であることに疑いはありませんが
でも、よくよく考えてみると、これだって職員主体の声かけになっています。
敬語というのは
婉曲な表現、冗長な表現になりがちで
もちろん理解できる方に使うのは適切なことではありますが
理解できない方にとっては混乱させてしまうことになってしまいます。
「オミアシヲアゲテクダサイ」
はその一例です。
8月 22

「歩かないと歩けなくなっちゃうから」
歩かせる。
「食べないと栄養不足になっちゃうから」
「飲まないと脱水になっちゃうから」
食べさせる
「何もしないと認知症が進行しちゃうから」
折り紙や塗り絵をさせる。
その意図に悪気があるわけではないのはわかりますが
その方にとっての、歩かない必然・食べない飲まない必然・廃用や低活動の必然を考えることなく
表面的に歩かせる、食べさせる飲ませる、何かをやらせる
という対応は、問題の先送りにしかならないだけでなく
かえって逆効果になってしまいます。
大昔になりますが
膝蓋骨の亀裂骨折をした認知症のある方に対して
「歩かないと歩けなくなっちゃうから歩かせるように」
という指示が出たようで
痛いから嫌!(当然だと思いました)と大声を出すようになり。。。
という方に遭遇したことがあります。
言語的疎通がちゃんと取れる方でしたから
「痛みが良くなるまでは、骨折していない足の筋力が落ちないように
リハビリをしましょう。
歩く練習は痛みが軽くなってから始めましょう。」
で、ちゃんと歩けるようになったという方がいました。
さすがにここまでのケースは今はないでしょうけれど
「飲まないと脱水になっちゃうからちゃんと飲んで!」
ととにかく飲ませることが最優先になってしまう
その結果、その方の本来の食べるチカラが低下してしまう。。。というケースは
まだまだ多いように思います。
構成障害や遂行機能障害のある認知症の方に対して
何かを作るというActivityは非常に難しいものですが
「刺激がないと病状が進行してしまうから」
と折り紙や紙箱作りをやらせ、その場では見た目活動的に見えても
内心の不安感や喪失感・失敗体験を強めてしまう
ということも結構あるのではないでしょうか?
無理矢理歩かせて、痛みを生じさせたり
無理矢理食べさせ飲ませて、口腔器官の協調性を低下させてしまったり
無理矢理何かをやらせて、職員の頭が対象者の手足を動かさせるだけになったり
それって
誰のためなんでしょう?
まずは
歩きたくない、食べたり飲んだりしたくない、何もやりたくない
と言うからには、必ずその方にとっての何らかの必然があります。
(原因ではなくて必然です)
そこを聴いてみましょう。
言葉でも
行動というもう一つの言葉でも
私は呪いの言葉を使いません。
もしも
歩けなくなった時に
食べたり飲んだりできなくなった時に
何もできなくなった時に
「あの時やらなかったから今がこんななんだ」
と感じて自身を責めるようなことにはなってほしくないからです。
歩けなくなっても
食べたり飲んだりしなくても
何もできなくなったとしても
あなたはあなたで変わらない
でも
歩けないよりは歩けた方が
食べたり飲んだりできた方が
何かできた方が
今よりもっといいと思っていただけるような体験を提供できるようになることを考えています。
* 関連記事
「結果として起こることの目的化」
「脳みそ預かり事件
シリーズ認知症の作業療法:ベテランOTへのインタビュー
『認知症のある方への作業療法<前編>成功と失敗』
神奈川県作業療法士会ニュース 2011vol.147
8月 21

情報収集の際には
必ずご家族お話を聞いたり
関係職種の記録を参照しますが
決して鵜呑みにはしません。
困っている場面を必ず自分の眼で観て確認をします。
知識がないために誤認したり見落としていることもあるからです。
また、暗黙のうちにご本人との関係性からその人が優先したい事項があると
優先事項の観点から誤認していることもけっこうあります。
「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。
多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない。」
ユリウス・カエサル
まさしく。。。
「もともとはお茶が好きだったけど
認知症になってからはお茶が嫌いになって」
「水分は拒否する方です」
水分補給の時間に確認してみたら
コップを手に取り、眺めているうちにひっくり返し、こぼしてしまったことに驚いています。
介助で飲んでいただこうとすると顔を背けてしまいます。
コップがわからない、扱えない
パッケージにオレンジの写真が撮影されている紙パックのジュースを買ってきて
ストローを刺した状態で手渡すと
一瞬の間を置いて、一気にごくごくとジュースを飲み干しました。
お茶を淹れたコップにストローをさして手渡すと
ストローからごくごくとお茶を飲み干しました。
お茶が嫌いなんじゃない
水分を拒否しているんじゃない
ご家族が「お茶が嫌いになって」と言うからには
ご自宅で使い慣れた湯飲みでもお茶は飲めなかったのだと思います。
認知症は
病状によっては、失行をきたす場合があります。
観念失行があると
手は問題なく動かせるのに、道具の使用ができない という症状が現れます。
知識がないと
見れども観えず になってしまいます。
特に、認知症のある方の場合には
気持ちのせい(嫌がる、拒否する)にされて
誤った評価、誤った対応が為されがちです。
必ず
事実を事実としてありのままに観察する
という臨床実践が最も重要です。
8月 14

意外なところで
介助用の良いスプーンを見つけました。
ジャムや瓶入りの柚子胡椒をすくいきれるように買ったのですが
ある時、このスプーンを使ってゼリーを食べていてビックリ!
1口量を少なく
しなることなくきちんと下唇を押す力を伝えることができる
良いスプーンです。
値段もお手頃価格の290円!
足なり直角靴下といい
無印さんにも介護用に活用できる良い商品がたくさんありそうです。
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