
現場あるあるの「事例集」を追加しました。
リハ場面、生活場面、Tips集と分けてみました。
今日現在で
・骨折後のリハ
・頚部が前屈、後屈してしまう方の食事介助
をアップしています。
今後も随時更新していきます!
10月 09
現場あるあるの「事例集」を追加しました。
リハ場面、生活場面、Tips集と分けてみました。
今日現在で
・骨折後のリハ
・頚部が前屈、後屈してしまう方の食事介助
をアップしています。
今後も随時更新していきます!
10月 05
頚部後屈してしまう方もいらっしゃいます。
そのまま食事介助するのは、誤嚥のリスクが高くとても危険です。
じゃあ、どうするか
たいていの場合
後屈しないように
頚部を前屈方向へ押し出すように介助してしまいがちです。
でも、そうすると逆効果
作用反作用の法則で
無理に力を入れて前方に押してしまうと
逆に後方に同じ力で押し返されてしまうので
かえって頚部後屈を強めてしまいかねません。
そのような時には
盆の窪と呼ばれている、後頭部〜首の間にある凹みのところで
頭の重さだけを支えるようにします。
しばらくすると頚部後屈方向への抵抗感が減るのを感じると思います。
そうしたら少しだけ前屈方向へ動かして、頭の重さだけを支えるようにします。
ポイントは
「修正するのではなく助ける」
これって、何事もそうだなーと感じていますが
あるべき正しい在り方を目指して修正しようとするとかえって良くない結果となってしまう。
今、困っていることを助けようとすれば結果として望ましい在り方へ近づく。
頚部後屈している方は
頭の重さを支えてみてください。
そして
頚部前屈してしまう方と同様に
そのような状態になるには必然性があってのことなので
根本的な対応として、必然性を探ることも同時に進めてください。
10月 04
頚部前屈してしまう方の食事介助は大変です。
お食事だけでなく、水分やお薬を飲んでいただくのも一苦労。。。
ついつい、おでこを押さえて顔を上げさせて介助するけど
痛そうでかわいそうに思っても
そうしないと顔が下を向いてしまって食べさせられない。。。
そんな風に悩んでいる方必見
頚部前屈してしまう方は
必然があってそうなってしまうので
その必然を解き明かすことがポイントなのですが
お食事は毎日毎食のこと。
今すぐの対処が必要ですよね。
そんな時は
顎の下を介助者の片方の手で下から支えてあげてください。
万が一に備えて
おしぼりを持ってから顎の下で支えるともっといいかも。
おでこを手で押さえるよりも見た目的にもずっといいし
何より力がほとんどいらない。
今すぐの対処として、すぐに支えるTipsですが
並行して、頚部前屈してしまう必然を解き明かすことも忘れずに ☆
10月 04
女子なら一度はやったことがあるかも?
リリアン編み (^^)
原理は同じで
ペットボトルと割り箸で作ってみました拡大バージョン。
あらかじめ、道具を作っておけば
毛糸を用意してすぐに取り組んでいただけます。
< 特徴 >
・工程が手続き記憶にある
・毛糸をかけるという1工程のみ覚えられれば
連続、反復して行うことで実施可能
・仕事的要素が強め
・連続、反復した工程なので対人関係の媒介として活用できる
< 向いている方 >
・両手の協応が可能
・毛糸に馴染みがある
・表現を楽しむ方よりも、仕事的要素を好むかたや
活動を媒介として対人交流を好む方に向いている
仕上げは指編みと同様で
輪を作りながらマフラーにしたり、バッグや膝掛けができます (^^)
10月 04
キャッチボールは
「やりとり」の象徴の1つとして、
どんな分野でもよく使われているAct.の1つだと思います。
でも、相手めがけて投げることや
投げられたボールを落とさずにつかむことができないと
導入するのは難しいですよね。
私も風船やバランスボールで代用していた時もありますが、
それでも難しい方がいらっしゃいます。
疎通困難で注意の転導性が著明だったり、
対象との距離があると認識しづらくなってしまう方など…
同じような経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、使えるアイテム、ひも三つ編み登場 (^^)
荷造りしたり、応援用のポンポンを作る時に使うスズランテープを使います。
まずは、相手にテープ端を持ってもらい、私が三つ編みをします。
この時に、私が編む作業に同調して
テープ端を引っ張りながら持つことができるかどうか…がポイント。
これができるということは、言葉は介さないけれども、
相手を認識して相手との恊働作業をおこなえるということを意味します。
疎通困難で
注意集中ができなくて
失敗への予期不安が強く
情緒不安定な方が
他者との恊働作業に集中することができるなら、
もうそれだけでも十分だと思います。
非言語のレベルでの「やりとり」という体験をする…
ということの意味はとても大きなものがあると感じています。
言語的な意思疎通が困難であったとしても
私が編みやすいようにひもの引っぱり加減を調整する方もいます。
常に一定のテンションでなく微調整しているのです。
また、長い時間続く時には、
疲れないようにひもの持ち方を変えたりという工夫をする方もいます。
非言語ではあるけれど
非言語だからこそ、わかることもあります。
それだけではなくて、
認知症のある方の場合、さらにその次に進むことができる場合も多いのです。
ひもを触ったり、結んだり…手いたずらを通して
「三つ編み」することを思い出す場合も多々あります。
三つ編み…おさげ髪を結ったり、わらじを編んだりと
昔の人は「編む」ことはなじみのある動作です。
手続き記憶を活用しやすいのです。
この時にポイントはいくつかあります。
まずは、
疎通困難な方や注意集中困難な方には、
ウォーミングアップの過程を怠らないこと。です。
挨拶であったり、笑顔でのアイコンタクトであったり…
使う材料を手いたずらする…なんてことも制止したくなるかもしれませんが
手で材料に触れるということは
重要な対象認識の一過程でもあるので、大切にしていただきたいと思います。
対象者の傍らに寄り添っていれば、
まだ「その時」ではないのか、
あるいは導入開始の時なのかといったタイミングがわかると思いますので、
そのタイミングを逃さずに介入してみてください。
また、対象認識が低下している場合には認識しやすいような工夫も必要です。
例えば、スズランテープを3色使うと重ね方が明確になりますし
言葉で「左端のひもをもって…」と説明するよりも、
「赤いひもをもって…」と説明したほうが理解しやすくなります。
「左端」という言葉は
相対的な説明ですので
1つの場面内の複数の対象を認識して
さらにそれらの相対的な関係性を認識できていないと理解できません。
このような説明は認知症のある方にとってハードルが高すぎます。
一目瞭然という場面設定、作業に語らせるという場面設定を工夫することが重要なのです。
そして、何よりも重要なことは
三つ編みができるように
という観点から、引き算で対象者を見ない。ということです。
ここができないから三つ編みできない。
ここを頑張ってできるように。。。ではないのです。
それでは、三つ編みを「させる」ことになってしまいかねません。
非言語での恊働作業ができるだけでいい。
1人でひもで手遊びに集中できるならそれでいい。
三つ編みできたら「もっと」いいね。
というように、今を否定せずにプラスを積み重ねていく「みかた」です。
スズランテープは材料費が安い。入手しやすい。
そして、何よりもシンプルな工程で段階付けや切り替えをスムーズに展開しやすい…というところが大きな利点です。
出来上がった三つ編みは
空き缶の周りに貼り付けると
多少の歪みがあっても、かえってその歪みが味わいに変化します。
どの分野でも使われているキャッチボールですが
キャッチボールが象徴している「はたらき」を活用したAct.として「ひも三つ編み」をご紹介しました。
* ちなみに・・・
最後の写真のお花は、ずーっと前に「伊藤家の食卓」という番組で紹介された
マニキュアで作ったお花です。
作り方は、手芸用の細い針金を任意の形にして
針金(例えば、楕円形)と針金の間を
マニキュアを浸した筆先を横に寝かせて、隙間ができないように
ゆっくりと渡していきます。
乾いたら組み合わせて、お花や葉っぱの形にまとめて仕上げます (^^)
仕上がりは、とても綺麗なんですけど
両手の協応やマニキュアを浸した筆の動かし方が結構繊細な動きが要求されるので
適応できる方はかなり限定されてしまうように感じました。
10月 03
頚部が前屈してしまい
食事の時には、おでこを支えながら介助されていたAさん。
この表面的な事象だけ見て
「どうしたら頚部が前屈せずに、顔を上げて食べられるだろう?」
と考えても適切・的確な対応はできません。
まずは、きちんと観察・洞察せねば。
そして、触ってお身体の状態をきちんと確認せねば。
頚部が前屈するのは、筋が弛緩している場合もありますが
逆に、硬くなってしまっていて顔をあげたくてもあげられない
というケースもあります。
Aさんの場合は後者でした。
Aさんは
車椅子を使用し、食事を含めてADL全介助ですが
脳血管障害も骨折の既往も糖尿病や高血圧や循環器の既往もありません。
まず、Aさんにリハ室のプラットフォームマットに座っていただきます。
車椅子からトランスファーする時に
「うっ!重っ!」
股関節・膝関節が屈曲したままで足でご自身のお身体を支えることができません。
マットに座っていただき、靴を脱がせようとすると
お身体がコロンと後方にひっくり返りそうになってしまいました。
マット上でお身体の向きを変えようとすると
まるで一本の木のようにガチガチです(体軸内回旋低下)
このような状態では、いくら寝てもお疲れが取れないのではないだろうか
と思ってしまいます。
認知症があってもなくても生活期の方の中には
端座位が保持できずにコロンとひっくり返ってしまったり
ベッドの上で身体を捻る動きが出ずに全身が木のように硬くなってしまっている
方って、よくいますよね?
このような方の多くが、実は誤学習によるもので
主導筋と拮抗筋の共同収縮を起こしてしまっています。
拘縮があっても限定的であれば、適切なリハをすることで状態が改善します。
このようなケースを筋力低下と誤認し筋力強化などしてしまうと
逆効果になってしまいます。
「力を抜いて」と言っても
どうしたら力が抜けるのかわかりません。
まずは、「動く」体験を他動的にすることから始めます。
臥位で股関節・肩関節を緩めます。
よくあるのが、いきなりストレッチをすることですが
筋が弛緩していないのにストレッチをすると筋繊維を痛めてしまいます。
まずは、回旋運動を多動的におこないます。
抵抗感が減弱したところでストレッチを行い、可動範囲を広げます。
この運動の目的は、完全に正常な身体になることではなくて
安全・安楽・円滑な起居動作が介助下にて可能になることなので
ここはメインではありません。
股関節・肩関節の可動範囲を広げてから
骨盤と体幹の分離運動を他動的に行います。
私は座位・立位と側方へ、次に前後方向へ(冠状面)行っています。
立ち上がりの時にも
「頑張らせない」「力を入れない」ように
「膝を伸ばして」「腰を伸ばして」などの動きに着目していただくように声かけを行います。
Aさんの頚部前屈も改善され
トランスファー時の共同収縮も減弱し
端座位が保持できるようになり
臥位での体軸内回線の動きもみられるようになり
impairmentな問題は完全に解決できた訳ではありませんが
disability面の問題は、ずいぶん改善されました。
大切なことは
「正常」とされる身体状況を目指すのではなくて
暮らしの困難、生活障害を改善し
余分な困難を減らし、日々の暮らしを堪能できるように
援助することだと考えています。
Aさんのような方は大勢います。
身体、動作のプロである理学療法士や
行為のプロであり、動作との関連が把握できる作業療法士に
できることは、まだまだあると感じています。
私は
廃用は誤学習の結果として起こる。
筋力低下・廃用論には与せず、筋力強化は逆効果と考えて
共同収縮を促さないように、
動作の質をあげていくリハの実践が
認知症のある方にとっても有用だと考えています。
参考:立ち上がり
10月 03
大きな声で独語が続いて対応困難…というEさん。
前の施設では、高機能のリクライニング車いすを使用していたそうですが
うーん…ポジショニング、合ってない。
全身が突っ張り、なんと、顎まで歪んでしまっています。
上顎は左前へ、下顎は右奥へ…
(ここまでの方は見たことない…!)
当然、舌の動きまで制限を受けてしまっています。
咀嚼運動がほとんどできず丸呑み状態です。
初回の食事介助はとても恐かったことを覚えています。
その方に、ベッド上と振り子式車いすでのポジショニングを設定し、
看護介護職員にも伝達してみんなで実施したところ、
みるみるうちに筋緊張が改善し全身の関節可動域も改善してきました。
咬合不全も解消(!)
閉口している状態が増え(!!)
上唇でのとりこみも改善(!!!)
口唇閉鎖しての咀嚼もできるようになりました(!!!!)
それだけではなくて、なんと、大声での独語まで著明に減少したのです。
この現実は、いったい何を意味しているのでしょう?
独語や大声は、本当にBPSDという症状だったのでしょうか?
不適切なポジショニングによる、苦痛の意思表示だったのではないでしょうか?
認知症のある方が、身体的な障害も合併することは多々あります。
認知症のある方にも、身体面に対して適切に対応できることが求められているのです。
Eさんには、ポジショニングをしただけです。
ポジショニングだけで、こんなにもEさんは変わったのです。
身体面への対応…とりわけ、ポジショニングの必要性・重要性について、再認識させられた体験談。でした。
10月 03
間違い探しの本も
いろいろ発売されていますが
見た目が子供っぽくならないように
あんまり可愛い絵柄に偏らないように
難易度も簡単すぎず、難しすぎずとなると
何を選んでいいのか、迷ってしまうかもしれません。
HDS-R10〜20点くらいの方向けに
オススメなのがこちらです。
「 新・昭和レトロな間違い探し 」
「 まちがいさがし 季節の行事編 」
「 まちがいさがし 昭和の暮らし編 」
いずれも、図柄がみやすくて
難易度もちょうどいい。
図柄がゴチャゴチャしてると、やる気が削がれてしまう方が多いです。
特に、図と地の判別が低下している方には余計にできなくなってしまいます。
昭和の時代を彷彿とさせるテーマなので
間違い探しに疲れた時には、絵を眺めてテーマに沿った思い出を聞く
というように課題を変更しても違和感がないのも良いところです。
10月 02
一時期、流行した指編みですが
両手の協応が保たれている方や
かつて編み物をしていた方で
HDS-R10点以上ある方かつ再認できる方にオススメです。
< 作り方 >
まずは
毛糸の糸端で輪を作り親指にかけます。
人差し指から順に背側と掌側に交互に毛糸を渡していきます。
さらに
上の図とは交互になるように
毛糸を小指から逆順に人差し指まで毛糸をかけます。
次に
毛糸をぐるっと4本の指に回してかけて
下側の毛糸を人差し指にかけていきます。
かけた毛糸は、人差し指の背側にかかっています。
同じように
中指の下の毛糸を引っ張り出して中指にかけます。
同様に
薬指、小指の毛糸もかけていきます。
これを繰り返し行います。
途中で時間で作業を中断する時には
指の手形を作って毛糸を移し替えておくと
作業を再開する時に便利です。
作業を再開する時には
親指にかけた最初の輪は、もう親指にかけずに編み始めて大丈夫です。
写真のマフラーは
毛糸1.5玉〜2玉でできます。
ボンボンを大きめに2個作る場合には、別途毛糸が1玉くらい必要になります。
長く作って毛糸同士をくけていけば
バッグや膝掛けを作ることもできます。
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