言葉の質的側面として
目的の言葉・手段(方法)の言葉
ということを意識して使い分けるとケアに有効です。
目的の言葉というのは
認知症のある方に「これから何をするのか」という目的を伝える言葉です。
例えば
「そろそろお食事の時間だから食堂へいらしてください」
ところが
遂行機能障害のある方は
段取りをすることが困難になるので
目的だけ伝えられても目的を達成するために何をどうしたら良いのか
わからず実行することができません。
そこで、手段(方法)の言葉が必要となります。
目的を達成するために必要な手段(方法)を言葉にして伝えます。
例えば
「食堂に行きますから起きてください。」
「靴を履いて食堂に行きましょう。」
「食堂までご案内します。」 といった具合です。
手段(方法)の言葉ではなく、目的の言葉だけ使って声かけして
(ちゃんと声かけしたのに、どうして食堂に来てくれないのかしら?)
と嘆いても仕方ありません。
理解できない方に理解できない言葉を伝えても意味がありません。
言葉は相手に伝わってこそ、言葉として機能します。
目の前にいる方が
目的の言葉で理解できるのか
手段(方法)の言葉が必要なのか
判断して意識的に言葉を使い分けることが必要だと考えています。
一方、認知症のある方が
手段(方法)の言葉で訴えていると
何を言っているんだろう?
疎通困難と思われてしまうこともよくあります。
単なるコミュニケーション不全なのに。。。
例えば
「2階はどこ?エレベーターはどこ?」
認知症のある方が手段(方法)の言葉で困りごとを訴えてこられたら
手段(方法)で応じるのではなくて、もう一段目的の言葉で尋ね返すことが
ポイントとなります。
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