対象者が変われば職員も変わる
看護介護職の人は、個人個人として見ると
優しい人が多いと感じています。
諸々の理由があって
対象者に適切な対応が難しいと思うような人でも
対象者が変われば、いつの間にか対応が変わっている
という職員もいるものです。
状態把握・観察・洞察・対応の解像度は人それぞれであっても。
看護介護の内部の管理運営については
きちんと責任者がいますから
リハスタッフとしてはそこまで踏み込まない。
時々、リハスタッフで看護介護職の人材育成について
踏み込もうとする人を見聞きしますが
それは越権行為というものです。
危険行為や困りごとがあれば直属の上司に報告はしますが
対応は先方の仕事です。
それよりも
リハスタッフには
リハスタッフとしてもっとやるべきことがあります。
結果として
職員が適切な対応ができるように
対象者の行動変容を促していくことに注力する
黒船効果を期待することです。
何のジャンルでもそうだと思いますが
優秀な人ほど謙虚ですし
そうでない人ほど無根拠な自信を持っているものだと感じています。
相当昔ですが
「なんで私が食事介助しても点数にならないのに
よっしーさんが食事介助すると点数になるのよ」
と陰口を言われていたことがありました。
私は自分の食事介助とその人の介助との違いを
実際の行動面においても状態把握という認識面においても
明確に言葉で説明することができますが
その人は、自身と私とではやってることが同じで
違いがないと思っていたわけです (^^;
そういったケースには山ほど遭遇してきましたから
看護介護職だけでなく、リハスタッフでも医師でも人それぞれ
優秀な看護介護職ももちろん知っていますので職種の批判ではありません。
念の為。
そんなもんなんだとしか思いませんが
そのような人たちに行動変容を促すのは大変なことです。
個々の職員の行動変容、成長を促すのは、その部門の管理者の仕事です。
チームの一員である私としては、もっと優先すべきことがあるので
そこに注力します。
対象者がより高い能力を発揮できるようにすることです。
対象者が高い能力を発揮していれば
自然とそれに見合った対応をせざるを得ません。
前の記事でも書いたとおりに看護介護職は集団で働きますので
状況と対応を他の看護介護職とも共有しています。
良くも悪くも、集団から大きく逸脱するわけにはいかないのです。
対象者がより高い能力を発揮できるように
今までできないことができるように。
できるようになったとしたら
限定した場面でだけできることを
いつでもどんな場面でもできるようにできるだけ限定の枠を小さくしていく
あるいは介助する人が対応しやすいように限定の枠を明確化していく
そこにもチームに寄与する意義があります。
対象者のためにチームに寄与するのであって
チーム構成員が結果として成長するのは喜ばしいことではあるけれど
チーム構成員の成長の有無や程度に直接関与はしない
仕事なので
どんなチーム構成員であったとしても
今を否定せずに現状からスタートする
そのためにチーム構成員の現状を認識することは必要だけれども
自分は他に優先すべきことがあるので
本末転倒にはならないように自戒する。
リハスタッフにもいろいろな人がいて
私の講演を聞いた後に
「看護介護職や他のリハスタッフにも伝えたい。」
「連携を良くしたい。」
「どうしたら?」
という質問が多く聞かれます。
ぜひ実践を広めたいと思っていただけたから
出てくる質問なのだとは思いますが
まず、あなたができないと。
なぜ聞いただけで自分ができると思うのかな?
知る・わかる・できる
は全然別のことです。
そのような質問には
「まず、やって見せられることが大事」
「あなたがあなたの職場で実践してみて」
「そこから始まる」
と伝えています。
< 概 要 >
1 飲みニュケーションでは連携の問題を改善できない
2 プロのチームスポーツに学ぶ
3 連携という抽象論ではなく具体的に改善していく
4 情報伝達において前提要件を認識する
5 看護介護職は変則交代勤務
6 情報伝達の工夫:使う場所に情報提供
7 対象者が変われば職員も変わる
8 そもそも何のための連携?
9 たったひとりでも変わる意義
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