最も重要なことは
認知症のある方に、こちらの在りようが伝わっているということです。
「私はあなたのチカラを信頼しています」ということは確実に伝わるし
逆に
「私はあなたにチカラがあるなんてとても思えません」ということも伝わっています。
このサイトを訪れている人なら
認知症のある方の感性の鋭敏さに目を身開かされるような体験をしばしばしているのではないでしょうか。
介助する人が
どれだけ広く深く認知症のある方を理解しているか
少なくとも理解しようとしているかによって
認知症のある方の言動は全てではないにしても大いに変わってきます。
かつて
認知症当事者である、クリスティーン・ブライデン氏は言いました。
「あなたが望むなら、私は私たちとあなた方との間に橋をかけることができる」
この言葉を知った時には
態度的な意味で受け取りましたが
実際的な意味でもそうなのだということがよくわかるようになってきました。
認知症のある方に
今何が起こっているのかは、本人に聴いてみなければわからない。
言葉にして聴く
行動というもうひとつの言葉を観察することによって聴く
聴けば
何が起こっているのかを教えてもらえ
どうしたらよいのかがわかる
だから、ピンポイントで効果的な対応ができる
今は世界各国で
当事者が講演や本の執筆、政治への関与など様々な活動をされていますが
そのさきがけとなったのが、クリスティーン・ブライデン氏です。
クリスティーン・ブライデン氏の著書は
暮らしの成り立ちがどのように難しくなっていくのかという記載から
もっと内面深く掘り下げてスピリチュアリティなことまで言及されていて
当事者がバイブルのようにして読んだそうです。
クリエイツかもがわ
「私は誰になっていくの?」
「私は私になっていく」
能力を見出す
その詳細は
実際のケースをもとにこれから記事にしていきますが
「認知症のある方は能力低下してできなくなった」
という想定のもとに観察するのと
「認知症のある方には確かに様々な能力低下も障害もあるが、能力もある。
残っている能力を最大限使って代償しようとした結果、不合理な言動になってしまうこともある。」
という想定のもとに観察するのとでは
天と地ほどの違いが生じてきます。
認知症のある方に対して
「口腔ケアしたいけど噛まれちゃうからできない」という職員もいますが
きちんと説明してから(きちんとが何をどうするかということが実はポイントです)
口腔ケアをすれば噛まれちゃうことがないどころか
ちゃんと開口保持してくださるということは非常に良くあることです。
目の前にいる方が
どういう説明なら理解できて
どういう説明なら理解しにくくて
どういう説明なら協力しやすいのか
まずは、
こちらが把握できているのか、
把握した上で明確に対応しているのか
こちらの理解の深度、明確度、対応のきめこまやかさに応じて
認知症のある方は応答しています。
たとえ
一見すると不合理な言動のように見えても
そこにはちゃんと認知症のある方の能力も反映されています。
能力を見出す
その過程は
認知症のある方と私たち介助者との協働作業に他なりません。
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