知識がなければ観察できない
観察できなければ洞察できない
洞察できないから対応の工夫がピンポイントで行えない
観察・洞察のポイントを下記に記します。
観察をする時には
必ず状況とセットで観察します。
どのような場面で、自分を含めてどのような言動があった時に
どのような言動がみられたのか
言動の前提となっている状況を見落としたり、無自覚でいることは
往々にしてみられています。
認知症のある方は
視覚的理解や声の調子や表情、周囲の雰囲気といった
非言語的な情報を感受しているものです。
ただし、感受したそれらの情報を認識・判断する時に
依拠するのが、カツテ・過去の記憶なので
結果として不合理な言動となって現れることがよくあります。
表面的な行動を下支えしている
状況を含めた情報感受・認識・関与という一連の過程を洞察できるように
観察することが最も重要です。
それらの一連の過程には
下記に示す1)〜4)の事項が反映されています。
まず、障害・困難な側面として1)〜4)を洞察します。
現場あるあるなのが
「認知症=何もわからない」という誤解・偏見に基づく
3)と4)の部分です。
「誤介助誤応答」「誤介助誤学習」は本当に多い。
食事介助、然り。
声かけの工夫、然り。
そして、この部分は多くの場合、
善意によって行われるものなので修正が効きにくいものでもあります。
知識と技術が伴わないと、
善意から結果として不適切な対応をしてしまいかねないことはヤマほどあります。
認知症のある方が
現在の状況をどのように感受し、認識し、関与しようとしているのかを
きちんと観察し、
関与しようとしている言動に反映されている
障害・困難、下記の図の1)〜4)を洞察していきます。
3)の部分を洞察できれば
代償せずとも、能力を発揮できるように
介助者を含めた環境調整をすることで
能力を合理的に発揮できるようになります。
知識がなければ
観察する際に見落としたり、誤認してしまいます。
認知症のある方がどのように「感受・認識・関与」しようとしているのか
という過程を洞察する入り口に立つことが叶いません。
今は
たくさんの本や論文やネットでも情報収集することができます。
私のお勧めは
日本精神神経学会のHPで公開されている
「認知症疾患診療ガイドライン 2017」です。
医師向けのガイドラインではありますが
私たちコメディカルにとっても理解できる部分もあります。
まずは、知識習得の第一歩としてガイドラインを参照する。
あとは、日々の仕事で困難に出会った時に
その都度必要なことを学習することで
より広く深く学習を進めていけば良いと思います。
最低限、必要な知識を下記に記しましたので
ガイドラインを読む前の1ステップとしてご活用いただければと思います。
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