漫然としたリハ


認知症のある方に
「これならできるから」といって
根拠もなしに塗り絵をさせておくと
「漫然としたリハ」と言われちゃうんじゃないでしょうか?

漫然としたリハの改善というと
必ず表面的に捉えて、毎回違うプログラムをする
という人が出てきますが
「A」というプログラムを「B ,C,D」に単に変えただけで
「漫然と」行っているにすぎません。
これも問題のすり替えにすぎません。

「漫然と」というのは
目標との関連性なく、達成の可否についても検討されることもなく
個別的な背景や経過への配慮や必然性についての検討もなく
という意味なのではないでしょうか。

ROM-Ex.や筋力強化を毎回行うことが問題ではなくて
ROM-Ex.や筋力強化のどこがどう
能力維持、暮らしの維持に結びついているのか
ということを明確化できないことが問題なのではないでしょうか。

必要なことであれば
毎回同じことを繰り返すべきですが
必要でなければ
同じことでも違うことでも
提供の質・意味と目標達成の手段としての適否が問われるべきなのではないでしょうか。

「漫然としたリハ」という言葉で問われていることは
リハ提供者の組み立て、思考であり
目標達成との関連性や可否についての検討の有無ではないでしょうか。

高齢者の場合
暮らしを維持していくことそのものが目標となることが多々あります。

時に
目標設定に関して
養成校の教員や実習指導者から
「維持は目標じゃない」と言われたという声をしばしば聞きます。

これも問題のすり替えであって
維持も立派な目標です。
問題は暮らしのどの部分を維持することがなぜ重要なのか
そのために何が必要なのか
リハ提供者が明確化できていないこと
が問題なのです。


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