真の臨床家たる中井久夫

 

精神科分野で働く人はもちろん
そうでない人にとっても
中井久夫の言葉に支えられ励まされることは多いと思う。

中井久夫は徹頭徹尾、患者と並走する臨床家だった。

「医師は患者の弁護士」
と言明する医師を私は他に知らない。

初めて使う薬は、必ず自分で飲み心地を確認してから処方する
なんて医師を私は他に知らない。

DSMやエビデンスといった
身体疾患に関する現代医学の潮流とは別の側面に
個々の患者一人ひとりの経過とその時々の状態に
本当に寄り添っていたんじゃないかと思う。

患者への細心の気配りと
広く深い知見に基づく観察をどんなに丁寧に行なっていたのか
書かれた本の行間から滲み出てきます。

中井久夫のような実践は
現代医学の主流とは異なるのかもしれないが
歴史の必然の中で必ずや復活し見直される日が来ると思う。

中井久夫の実践に感動し学び直すことになるだろう。
看護や介護やリハ職に、多大なる影響を与えるだろう。

NHKが
4回の時間を割いて
心の病を普遍的な社会・文化の問題として読み解こうと設定した機会に
私ももう一度、中井久夫に学び直そうと思いました。

それにしても
中井久夫は晩年どんな思いでいたことだろうか。。。

 

医学書院のサイトから
中井久夫の鼎談記事を読むことができます。

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n2001dir/n2433dir/n2433_07.htm

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