プロのチームスポーツに学ぶ
連携に悩んでいる人は抽象的に考えると余計に辛くなってしまいます。
今、目の前で遭遇していることは
抽象的ではなく具体的に解決していくしかありません。
もしも
抽象的総論的一般化して考えるなら
リハやケアのことではなく
先を行っているチームスポーツのプロ集団に学ぶと良いと考えています。
チームスポーツの在り方を
そっくりそのままリハやケアの分野に持ち込むことはできなくても
本質を学ぶ考えるヒントにすることは可能だと考えています。
野球やサッカー、あるいはバレーの日本代表を想定すると分かりやすいと思います。
プロのチームスポーツには
達成すべき目標が必ずあります。
W杯で優勝する、決勝リーグに進出するなど
難易度は異なっても、達成すべきチームとしての目標が必ずあります。
そしてチームとしての目標を達成すべく監督の戦略があります。
監督の戦略に沿ってチームに貢献できるメンバーが選ばれ
選ばれたメンバーはチームに貢献できるよう最善を尽くします。
そして今や、かつてのような根性論精神論ではなく、
データアナリストが大活躍しています。
例えば、バレーなら
チームとしても、個々の選手ごとにも
サーブやレセプション、ディグ、ブロックなどの
行動の結果と傾向を集積し、対応を検討して、選手に提示します。
選手は提示されたデータと対応を頭に入れたうえで
自身のポジションでの役割を遂行します。
状況に応じて臨機応変に他のメンバーのフォローもします。
いかがでしょうか?
リハやケアの分野とは、もちろん異なることだってありますが
本質は同じだと思います。
大切なことは
対象者の目標の明確化と共有です。
そして目標達成のための戦略を決定し共有します。
その戦略に沿って個々の職種が役割を遂行します。
時にはフォローもしながら。
ところが
リハやケアの分野では
上述のいろいろなところが曖昧になっていませんか?
検討と言いながら、カンファレンスの場が議論にならず報告会になってしまってはいませんか?
下手すると意見を言うのではなく感想や感情を言っている場が多くありませんか?
第一、チームアプローチにおいて
最も重要な「目標を目標というカタチで設定できる」ことからして
疎かになっていることが多々あります。
目標ではなく、方針だったり、目的だったり、治療内容だったり。。。
目標設定については下記のコンテンツにまとめてありますので
ぜひご参照いただきたいと思います。
自身の関与によって異なる現実が観えるという当たり前のことを自覚せずに
表面的に「〇〇という状態の時には△△する」というハウツーが
こんなにも求められているという現実があります。
それだけ切実に困っているのだとは思いますが。。。(^^;
個々の職種の知識と技術の蓄積は
目覚ましいものがあると感じています。
けれど、その職業を構成している人は
どんな職業だって、人によりけり。ピンキリです。
プロのチームスポーツであれば
まず、メンバーに選ばれるまでが大変です。
メンバーに選ばれるに足るだけの実力がなければ選んでもらえない。
実力があったとしてもその時の監督の戦略に合致していなければ
使ってもらえない。
短期に結果を出すことが求められる
その結果が誰の目にも明確な世界だからこその厳しさでもあるのでしょうけど。
リハやケアの分野は
もっと長期的なスパンでの人材育成が求められているから
この部分はずいぶんと異なりますが
個人の研鑽の支援という部分は
真摯な管理職の悩みどころでもあるのではないでしょうか?
連携の課題というのは
単に表面的にみんなが同じことをするためにどうしたら良いか
というようなこととは全く違う
目標を達成すべく
チーム構成員がチームに貢献する。という基本に常に立ち返る。
他者にではなく自身に対して問いかける。
ということが大切だと感じ考えています。
臨床も3年目くらいになると
職場の状況もだいたいわかるようになり
1年目にはできなかったことができるようになり
できなかった人ほど仮そめの優越感を抱きがちで
その反動を他者に向けがちということも起こってきます。
そこで止まってしまうのは本当にもったいない。
その先があります。
自身の知識と観察・洞察と技術によって
観えてくる広がりと深みが全く異なります。
善意でありながら
自身の能力不足によって
対象者に寄与できないどころか、逆効果になってしまうことは
多々あります。
連携という課題が出てきたのは
対象者により有益なことができるようになるため
連携のための連携にならないように
問題のすり替えにならないように
< 概 要 >
1 飲みニュケーションでは連携の問題を改善できない
2 プロのチームスポーツに学ぶ
3 連携という抽象論ではなく具体的に改善していく
4 情報伝達において前提要件を認識する
5 看護介護職は変則交代勤務
6 情報伝達の工夫:使う場所に情報提供
7 対象者が変われば職員も変わる
8 そもそも何のための連携?
9 たったひとりでも変わる意義
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