大きな声で独語が続いて対応困難…というEさん。
前の施設では、高機能のリクライニング車いすを使用していたそうですが
うーん…ポジショニング、合ってない。
全身が突っ張り、なんと、顎まで歪んでしまっています。
上顎は左前へ、下顎は右奥へ…
(ここまでの方は見たことない…!)
当然、舌の動きまで制限を受けてしまっています。
咀嚼運動がほとんどできず丸呑み状態です。
初回の食事介助はとても恐かったことを覚えています。
その方に、ベッド上と振り子式車いすでのポジショニングを設定し、
看護介護職員にも伝達してみんなで実施したところ、
みるみるうちに筋緊張が改善し全身の関節可動域も改善してきました。
咬合不全も解消(!)
閉口している状態が増え(!!)
上唇でのとりこみも改善(!!!)
口唇閉鎖しての咀嚼もできるようになりました(!!!!)
それだけではなくて、なんと、大声での独語まで著明に減少したのです。
この現実は、いったい何を意味しているのでしょう?
独語や大声は、本当にBPSDという症状だったのでしょうか?
不適切なポジショニングによる、苦痛の意思表示だったのではないでしょうか?
認知症のある方が、身体的な障害も合併することは多々あります。
認知症のある方にも、身体面に対して適切に対応できることが求められているのです。
Eさんには、ポジショニングをしただけです。
ポジショニングだけで、こんなにもEさんは変わったのです。
身体面への対応…とりわけ、ポジショニングの必要性・重要性について、再認識させられた体験談。でした。
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