遂行機能障害を踏まえた靴の工夫


認知症のある方の手続き記憶が保たれやすいのはご存知の通りです。
靴の着脱が部分的にできて部分的にできない方の場合、全介助となってしまいがちです。
例えば、ある方の場合
足入れが可能でベルトもきちんと留めることができて踵もしっかり入れることができていました。
ただ、靴のベロの部分(足背に当たる部分)が中に入り込んでしまって
うまく処理できないこともありました。
このような場合、後になってから足元に違和感を感じてイライラすることもあるし
ベロの部分ができていないからと、いきなり全介助してしまう職員も出てきます。
それはもったいないなぁ。。。と思ってしまいます。

じゃあ、どうするか
ここが問題なのですが
動作を促す声かけをしても
言葉という聴覚情報をもとに動作を修正するということが難しいケースが多々あります。
職員が援助する際に「言葉だけに頼らない」という姿勢が大事です。
私は「対象に工程を語らせる」工夫をしています。
  
このかたの場合、遂行機能障害で言えば
 意図・計画・立案 可能
 実行・評価    可能も 修正が困難
 目標保持     可能
という状態を示しています。
ということは
修正せずに行えるような環境であれば動作の自立が叶うということを意味しています。

そこで、ベロの部分を操作を最小限にする工夫を考えてみました。
次の写真をご覧ください。


ベルトの部分とベロの部分(赤い線で示した部分同士)をあらかじめ縫い合わせます。
この時にあまり大きく縫い合わせてしまうと足入れが困難になってしまいますから
そこは気をつけます。
縫い合わせると下の写真のようになります。
上の写真とは左右逆になりますが


足入れもできる、ベルトも留めてもらえる、踵も入れられる
介助を受けずに、かつ、自分一人でもきちんとベロが丸まらずに靴を履けるようになりました!

介護シューズも今は多種多様なタイプが販売されるようになりましたが
それでもやっぱり市販の靴では間に合わないというケースもよくあります。
ご家族が新しく購入された靴が浮腫んでしまって合わないような時には
靴のタイプによりけりですが、靴ベルトの延長で済むケースもあるので
靴ベルトの延長とかよくやっています。

案外、普通の縫い針で縫えてしまいますが
実際に作る時には、針で指をつつかないようにお気をつけください。

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