深きは深きを知るもので

「深きは深きを知るもので」

この言葉は
私が大好きな「 ゲド戦記 IV 帰還 」に登場するコケばばの言葉です。

ヒロインのテナーが
「魔法使いは、どうして相手が魔法使いだとわかるの?」
と尋ねた時のコケばばの答えです。

私はこの言葉に触れた時に
本当にその通りだと感じ、
以来大切にしてきた言葉でもあり、支えられた言葉でもあります。

ちなみに
私が大好きなのは原作の「ゲド戦記」で、映画の「ゲド戦記」ではない
ということを申し添えておきます。

コケばばの言葉は続きます。
「だけど、わしの方に見る目がなかったら、相手に目があるかどうかは言ってくれなきゃわからない。」

昨今の研修会では
認知症のある当事者の方の講演や介護ご家族の講演が増えています。
当事者やご家族の言葉から学べることは多々あることは強く実感できます。

でも、「とても良いお話だった」で終わってしまうのは、すごくもったいないと感じています。

講演という場で聞いたことと同じことは
他の認知症のある方と自身との間でも起こっていることです。

講演を聞いたことをきっかけに
目の前にいる認知症のある方やご家族からも学べるようになったら
どんどん輪が広がっていくと思います。

言葉にして語ってくださった方の思いと努力は
その方固有のものではあるけれど
同時に他の人だってそれぞれに固有の思いと努力をしていらっしゃる。

言葉にして言わなかったとしても。

認知症のある方の状態を観察・洞察できれば
その方がどんな風に頑張っていらっしゃるのかが
身に染みてわかるようになります。

対人援助職のプロとして
適切な援助ができれば
同時に
もうひとつの言葉である行動から
その人それぞれの思いと努力を聴きとれる。
その人のすごさが身に染みてくる。。。

援助することが励まされることにもなる所以だと感じています。


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