ポジショニングに関する現場あるあるの誤解 


写真のような方を見かけて
まず、最初にすべきことって何でしょうか?

たいていの看護介護職員は(一部のリハ職も)
対象者の右側の脇にクッションを当てこむんですよねぇ。。。
 (後述しますが、このような行動に反映されている問題は実に根深いものがあります)

正解は
まず、座面に対して真っ直ぐにちゃんと座らせる!
座り直しをすることです。

根深い問題というのは、下記の2点です。
1)自分が気になるところしか見ない
   写真の例で言えば、身体が右へ傾いているのは気づく
   傾いている→良くない→修正しなくちゃ→右側にクッションを当てる
   でも肝心の斜めに座っている(座らせていた)ところは見れども観えずになっている。  
2)原因を対象者の側に求めて、職員側の対応の見直しという視点がない
  環境との相互作用という認識が欠落している
   移乗後にちゃんと座れているのかどうか確認をしていないことが一番の問題です。
   移乗動作が大変な方もいますから、大変な方であればあるほどきちんと座れたかどうか
   確認が必要です。確認すれば座り直しをしようという意識が働きます。

この2つの問題というのは
ポジショニングに限らず、食事介助でもまったく同じコトが違うカタチで起こっていますし
生活障害やBPSDといった場面でもまったく同じコトが違うカタチで起こっています。

ポジショニングをポジショニングとして
適切に設定できるようになる、ということは
表面的にはポジショニング設定能力が向上するということになりますが
それだけでなく、
全身を観察し、反映されている障害と能力を洞察するという
メタ認知・メタ能力
をも向上することになるので、ぜひ挑戦してほしいと思います。

マズローの欲求5段階説では
生理的欲求が最下層にあり、その上に安全欲求があります。
身体的な安楽・快適性が担保されて初めて集団への所属や自分らしさの追求といった高次の欲求を求めるようになる。
つまり、ポジショニングというのは暮らしのベースを担保するものなのです。

適切なポジショニングができれば
本当に対象者の身体は変わります。
その場で変わります。
ポジショニングそのものに要する時間はほんのわずかです。

他職種への伝達について工夫の方が時間が取られます。
他職種の状況に応じた伝達の工夫をしなければならないからです。
高度の変形・拘縮のある方でもポジショニングそのものは、5分もかかりません。
その場で筋緊張の緩和を他職種に体験してもらえます。

身体のアライメントを観察し
その方なりのポイントを洞察できるか

が、ポイントとなります。
(ここがわかっていない人が本当に多いのです。。。)

意義がわからないのに
見た目だけクッションを置いたって効果がないのは当たり前です。
だって、やってることの意味がわからないのに形だけやってどうするの?ってことです。
だから、効果が出ない。
ちゃんとやってる。じゃなくて、やってるフリですもの。
ところが、効果が出ないことを自分のやり方が悪いと反省せずに
効果が出ないのは、教えてもらった方法が悪いからだと言い出す人が出てきたりします。。。

私は技術職ですから、やって見せることができます。

やって見せることができれば
「どうやったらいいの?」と聞いてくる人も出てきます。

やって見せられるようになりたい方は
ぜひ、6月29日の研修会に参加してみてください。
詳細は、ー こちら ー をご参照ください。
 

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