
「対応の引き出しを増やす」
という言葉は一見正しそうに聞こえますが
単に「ハウツー」や「あぁすればこうなる」の寄せ集めをいくら増やしたところで
結局、認知症のある方の状態像が違えば通用しないので
(そして、通用しない体験をたくさんしているはずなのだから)
通用しないという事実に向き合って
そのような不適切な仕事の仕方は卒業しましょう!
むしろ、増やすべきなのは「対象者の情報」です。
特に生活歴に関する情報の引き出しを増やしましょう。
その方の生まれ育った土地の名産品や景勝地
どんなご家庭に育ったのか
小さい頃はどんな風に過ごしていたのか
前の記事でも少し触れましたが
当時の日用品について
(例えば、
氷冷蔵庫、おたふくと呼ばれたハサミ、火のし、保温ポット、玉のれん、おわんやさんなどなど)
今はネットでサクッと調べられますから調べておきましょう。
そして、「〇〇ということを聞いたんですけど詳しく教えてください」と言って
扱い方やそれらにまつわる話を聞いて教えてもらいましょう。
また、昔は、娯楽も限られていたので、当時流行した歌を知っていることは強みになります。
昭和10年代〜60年代にかけて流行した歌のタイトルと歌手名を知っておく
実際に歌を聴いて曲調を把握しておく
歌詞をよく読んで歌の意味を理解しておく
1番は何も見なくても歌えるようにしておく
歌の好みは人それぞれなので多様な歌を知っておくととても役に立ちます。
ほとんどの方が知っている歌をあげておくと
・旅の夜風(愛染かつらという映画の主題歌)
・二人は若い
・高原列車は行く
・啼くな小鳩よ
・長崎の鐘
・ここに幸あり
・高校三年生
・柔
・函館の女
・星影のワルツ
・てなもんや三度笠
・あぁ人生に涙あり(水戸黄門のOPソング)
引き出しを増やすのは
対応ではなくて
その方を理解するために役立つ情報です。
対応の引き出しを増やすのではなくて
情報の引き出しを増やしましょう。
そんな暇ないっていうかもしれませんが
大切なのはOJ T
あ、この土地知らない
あ、この歌知らない
って思った時に調べれば良いし、教えて貰えば良いのです。
その時、調べて身についた情報は
その時の対象者の方に役立つだけでなく
回り回って同じ土地生まれの別の方にも役立つし
会話の深さが違ってくるので信頼関係の構築に役立ちます。
「みんな昔はそうだったじゃない?」
「昔はそういうものだっただろう?」
「なぁ?」
と言われたたびに
う〜ん、私まだその時生まれてないんだけど
と思いつつも、それだけ「共有」の実感を抱いてもらえているのだと嬉しく思ったものです。
2026年4月発売
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