
認知症のある方へのリハやケアの根本的な問題は
どうしたら介助できるようになるかという視点でいろいろな方法論が展開されていることと
そのことに無自覚なことの2点だと考えています。
認知症のある方は
イマ・ココでどのように状況を感受・認識・対応しようとしているのかを
まず把握するという視点へ自覚的に変換すべきなのです。
わかりやすい例えをすれば
食事に時間がかかる方に対して
「どうしたらスムーズに食べられるようになるか」考えることや
「時間をかけてもその方のペースで食べていただこう」と考えることと
なぜそんなに食事に時間がかかっているのか、その必然を把握しようとすることとの違いです。
一見すると
焦らせずにゆっくり食べていただくという対応は
その人を尊重しているように見えるかもしれませんが
食事に時間がかかるのは結果であって、
食事に時間がかかる必然を観ようとせずに
表面的な結果として起こっている事象に表面的に対応しているだけ
というのはどうなんだろう?と思いますし
対応が後手に回っています。
私の体験では
1)義歯がゆるゆるで常食を食べていた というケース
2)舌の動きが非常に悪くて咽頭へ食塊を送りこめず口腔内に食塊が貯留している というケース
3)覚醒が悪くて食べられない というケース
がありました。
結果として、食事に時間がかかるという見た目は同じですけれど
食事に時間がかかる必然はまったく別の問題によって引き起こされています。
1)のケースでは、義歯再作成はしないということでしたから
ポリグリップなどの入れ歯安定剤の購入を打診しました。
2)のケースでは、舌の動きが悪くても食べられるように食形態を変更するとともに
そのような状態を引き起こしている状態について把握・対応しました。
3)のケースでは、まず覚醒を上げるために
・日中の居室を明るくする
・日中は生活歴にあるだろう音楽を聴いていただく
・朝食後の日光浴を導入
という対応を取りました。
その結果、いずれのケースでも食事摂取時間は結果として短縮されました。
食事に時間がかかるという方に対して
1)その方のペースだから2時間かけても食べていただく
2)どうしたら食事時間の短縮ができるか考える
と表面的に考えるのではなくて
食事摂取に時間がかかる必然をきちんと把握することから始めます。
摂食・嚥下5相のどの部分で時間がかかっているのか
そもそも覚醒良好なのか
低活動型せん妄ではないのか
姿勢保持ができているのか
注意散漫ではないのか
体力低下しているのではないか
時間がかかる必然によって対処はまったく異なります。
このことは、食事場面以外でも同様に起こっています。
まったく同じコトが違うカタチで起こっている例を次の記事でも。
2026年4月発売
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