
その場でお話ができると「認知症なし」と判断されてしまうのは
現場あるあるです。
30年以上前のことですが
サマリーに「年相応の物忘れです」と記載されていた方のHDS-Rは9/30点でした。。。
でも、これって昔の笑い話じゃないんです。。。
HDS-Rが5/30点なのに「認知症なし」と判断されていた方がいました。
ここ1年以内の話です。。。
もしかして
「会話に支障がなければ年相応の物忘れ」と誤認しているのかな?と思いますし
まだまだ
「認知症=変なことを言ったりしたりする」という誤解や偏見があるのだと思います。
だから、お話がちゃんとできれば認知症ではなく年相応と判断してしまう。。。
認知症の普及・啓発は進んでいると思っていましたが
実際のところまだまだなんでしょうね。。。
その場でお話ができる、会話が成り立つ、というのは紛れもなく能力発揮の表れです。
が、一方で記憶の連続性がない、近時記憶が低下している
という困難の現れを見落とすということは
的確な援助ができないということを意味しています。
それに、認知機能というのは、記憶だけでなく、いろいろな側面があり
疾患によって、また同じ人でも時期によって、前景化する症状や障害が変化するものです。
それらをすべて見落としてしまうと
対応が後手に回る恐れがあります。
そして、そのことを自覚すらできない。。。
その場のお話が楽しくできる方でも
見当識や記憶の連続性については、ちょっと意識するだけで確認することも可能です。
普段の何気ない会話でも、こちらの知識と心がけ次第で得られる情報の量も質も変わってきます。
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