非麻痺側のベタ足歩き


本当に久しぶりに思い出しました。
CVA後遺症片麻痺のある方の 非麻痺側のベタ足歩き 問題

老健に勤務している時に
麻痺側は足関節を装具で固定されていたり、
足関節を背屈するように指導されたりするせいか
麻痺側の足関節は踵接地〜爪先接地の動きがみられても
非麻痺側の足関節には、背屈の動き:踵接地〜爪先接地へという動きがみられず
足底全体をベタッと床面接地して歩く

非麻痺側なのに歩行時の通常の動きが出ていない
非麻痺側なのに能力低下している

というケースが圧倒的に多かったのです。
(非麻痺側ですから、当然、座位で非麻痺側の足関節はきちんと底背屈できます)

実際、それで悩んでいる当事者の方もいました。
「修正しようと気をつけてもできない」と。
この点に関して、過去にウェブリブログで記事にしていたのですが
サービス終了してしまったので、備忘録的にこちらにもきちんと書いておこうと思います。
県士会の_「よっしー」には簡単に記載_していました。

なぜ、非麻痺側にベタ足歩きが起こるのか
それは、身体は身体を守っている、身体はつながっている ということ
必要以上に(機能レベルで能力が高まっていないのに)
麻痺側下肢の動きを外側から修正しようと意識的に表面的に動きを変更させようとすると
身体全体を守る無意識レベルの作用によって
非麻痺側下肢の能力をいったん落としてまで
歩行時の身体全体の安定性を守ると同時に、過剰な要請に応じようとしている
環境適応の現れなのではないかと考えました。

  これについては、
  是非ボバース系セラピストか優秀なセラピストに尋ねてみたいです。
  ROM訓練・筋力増強・立ち上がり・歩行訓練といった

  通りいっぺんの展開をしている人ではなくて。

PTに限らず、OTに限らず、どの職種でも
自分の気になるところだけ見て、自分の意図に沿って表面的に行動を修正しようと
関与する対人援助職って本当に多いのが現実です。

そのような視点、在り方がマズイのですが
食事介助しかり、ポジショニングしかり、Activityしかり、歩容改善しかり。。。

  今、書いていてビックリ!  
  点と点がつながった! 
  線になった!
  ベタ足歩き問題は自分で書いてたのにずっと忘れていました。


平行棒で歩行練習する時にも
「前を向いて歩いて」「顔上げて歩いて」って声かけする人は多いけど、
私はそれはしませんでした。
下を向いて歩く必然があるから、
もしも前を向いて顔を上げて歩くように修正したいなら
その必然に対してアプローチしなければって考えました。
「顔を上げて歩いて」と『言う』のではなくて
「顔を上げて歩けるように」『する』のが仕事
だと考えていました。
このことも_県士会の「よっしー」_で記事として取り上げています。

この記事を書いたずいぶん後で
坐骨神経痛で2ヶ月休職したことがあります。
その時にあるスポーツマッサージの人に治療してもらいました。
その人は某競技のトレーナーとして日本代表に帯同したこともある人なのですが
肉厚の私の大腿部でも(^^;
「これが〇〇筋」「これが神経」「これが血管」と触診できる人で
いろいろなことを教えていただきました。

その人は、表面的に動きを修正しようとするような声かけは決してしませんでした。
「良くなれば自動的に身体が動けるようになる」って言っていたような気がします。
本当にその通りだと思う。当時も今も。

  やっぱり、こうやって出会えてるんだって思い出せた。。。

機能、はたらきを観るって、とっても大事。
でもここで言う機能って、単にROMや筋力のことじゃありません。
ROMやMMTを測定することや
可動域訓練や筋力増強訓練をすることも重要で欠かせないこともありますが
それだけが機能面のすべてではない。
出力としてまとまったカタチで現れる能力に反映されている、プラスマイナス両面の機能のこと。
その下位項目としてROMや筋力があるのに過ぎません。
筋力の問題ではなくて身体の使い方、ハタラキの問題ってことも多々あります。
(その際たるものが_「立ち上がり」_です)
  
「食事を溜め込んで飲みこんでくれない」という見た目に反映されている
舌の硬さや可動性や随意性について観ることと同じだと思う。
現実には「溜め込んで飲みこんでくれない」という
単なる見た目を見ることが観察だと思い込んでる人が多いし
「ちゃんと食べて」って言う人はたくさんいても
「ちゃんと食べられるようにするできる」人は決して多くはありません。
だから、困っている人がたくさんいます。
   
私たちの仕事は「言う」のではなくて「できるようにする」のが仕事なのではないでしょうか。
  

  

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