MedicalMARKSTARさんでの講演予定


まだ先の話になりますが
今年の10月1日(木)と15日(木)の19時〜21時に
Medical MARKSTARさん主催のオンライン講演が開催されます。

MARKSTARさんのトップページ
https://www.markstar.net
をずっと下までスクロールしていただくと
当該日について記載されていることをご確認いただけると思います。

内容としては
臨床編1・2として基礎知識編と評価編でご紹介した知識と評価の展開に基づき
じゃあ具体的にどのような声かけをして生活障害やBPSDへの対応を行うのか
事例に基づいてお話いたします。

お申込は、まだまだ先になりますが
興味のある方は日にちだけでもチェックしておいてください m(_ _)m


「認知症疾患診療ガイドライン2026」が5月刊行予定とのこと

Xで情報が流れてきたのでお伝えします。

「認知症疾患診療ガイドライン2026」が来月9年ぶりに改訂され刊行されるとのこと。
タイトルにある通り、医師向けのガイドラインではありますが
私たちコメディカルが知っておいて損はありません。

前回のガイドラインはサイトで全文ダウンロードできたのですが
今回もそうなると良いなぁと思っています。

DCゼミ第11回「問いを問い直す」


6月6日(土)19:00〜20:30
小田原市民交流センターumecoにて
第11回DCゼミ勉強会を開催いたします!

テーマは「問いを問い直す」

大声・暴力・介護抵抗のある方を例にとって
現行の方法論のどこが良くないのか
じゃあどうしたら良いのかをご説明いたします。

認知症のある方への対応にしろ
食事介助への提案にしろ
生活期にある方へのポジショニングにしろ
私のさまざまな提案の根底に通底しているのは
現行の在り方への疑問です。

問いを問い直す

アーシュラ・K・ル=グウィンの「西のはての年代記III ヴォイス」という本に
「心の中の神が石の中の神を見る」
「はかりしれない謎に理にかなった思考を寄せる」
「われわれの探す迷子の羊は真の問いだ
 羊の体のあとに尻尾がついてくるように
 真の問いには答えがついてくる」
という言葉が出てきます。
まさしく!まさしく!

いわく
現場では多くの人が、
認知症のある方の大声や暴言、介護抵抗といったBPSDが
「どうしたら出なくなるか」
「どうしたらなくなるか」
という問いを立て、その問いに答えようと多様なハウツーが主張・展開されています。

でも本当は
「何に対して怒っているのか」
「何が嫌だと表現しているのか」
を尋ね、共有化することが最初の問いなのではないでしょうか。

どうしたらBPSDがなくなるのか
という問いは目標設定が適切にできるようになれば
(現実には大変な困り事ではあったとしても)
解決の視点としてはおかしなことだと気がつけるようになります。
 「BPSDがなくなる」というのは行動ではないので目標にはなり得ないからです。
  詳細は目標設定についての記事を検索・ご参照ください。

問題設定の問題、問いを間違えていたのです。
だとしたら、問いを問い直せば良いだけです。

尋ね方にはまず言葉で尋ねることが重要で
その尋ね方にも知識と技術が必要ですが
その際の知識と技術が明確化されていないのが私たちの側の問題の一つです。
また、言葉ではなく「介助というもう一つの言葉」で
「もしかしたら〇〇ということが嫌で怒っていたのですか?」
「△△という方法なら大丈夫でしょうか?」
と尋ね確認する過程も必要で、この過程にも知識と技術が必要ですが明確化されていません。
これも私たちの側の問題です。
(いずれに対しても私はあちこちで知識と技術の側面から提案をしています)

これらの過程の問題が解決されていないので
紋切り型の対応やハウツーが希求されるしかないのだと思います。
でも、そのような対応では実際の現場で
「うまくいかない」体験を必ずしているはずなんです。

認知症のある方への現場では
いろいろなことが混同され切り分けられていないという側面もあります。
そこを整理することが必要だと考えています。
・善意であれば正しい結果を出せるわけではない
・対人援助は関係性の中で為される行為であるからこそ
 援助者側の困難が対象者の問題として投影されてしまう
・援助は強制や独善とは同じコインの裏表
 容易にすり替わりがちで
 援助であれば強制や独善にはなり得ず、強制や独善であれば援助にはなり得ない
・援助者側の都合は否定されるものではないが、混同されるべきものでもない
・対象者の言動を的確に観察・洞察できている援助者は思った以上に少ない
・安易な紋切り型の対応、ハウツーへの希求は
 受講者側だけでなく研修会主催者や講師側にも根深く位置づけられているため
 拡大再生産されてしまう

これらの現実をきちんと見つめ、整理し直すことが必要だと考えています。

紋切り型の対応やハウツーの当てはめを卒業できるように
こちらでの記事をはじめ自身のサイトや著書や講演を通して具体的に提案をしています。
困っている方はぜひご参照ください。
   
卒業できるようになるには、
知識も技術も必要ですから体験学習の蓄積という時間も必要です。
技術を習得・実践できるようになるまでの過程で
時には自身の未熟にいやというほど直面させられることもあるでしょう。
でもその先があるのです。

実践の過程を支えてくれるのは
認知症のある方が良くなっていく過程の協働体験そのものです。
認知症のある方がなんとか問題解決しようとする意思と
不合理な形であったとしても発揮されている能力の発露に触れることです。

そこを知れば、もう決して元の在り方や考え方に戻ることはできません。

発売開始!「認知症のある方の能力を活かす 事例から読み解く対応の工夫」


三輪書店さんから
いよいよ発売開始されました!

詳細はこちらから
https://shop.miwapubl.com/products/detail/2919

かつて若い頃に
いろんなことがわからずに本当に困っていて
認知症関連の講演を聞いたり、本を読んだ時に
机上の空論、絵空事だよって感じたことや
そうだよね、抽象論・総論としてはその通りだと思うんだけど
それをどうやって具現化しているのかを知りたいんだけど
と思ったことは数知れず。。。

理念は語れば実現できるというわけではありません。

多くの人が、理念を実践しようとしてもうまくいかず
困った時に指針となるような考え方、具現化の道筋を欲して探しても
現行では見つからないのが現状ではありませんか?

私は長い間、本当に困っていました。
自分が真っ当なことをできていないという事実に真正面から向き合い続けてきました。
本を読み漁り、良いと言われている研修会に出かけ、なんでもやってみました。
その結果、どこがどう良くて、どこがどう悪いのか、自分の中で分析を続けました。
常識とされている対応では「良くなった」という実感がどうしても持てず。。。
どう考えても自分の努力不足のせいではない
努力の方向性が違っていたのだという結論に至りました。
でも、批判するのではなく提案できるようになりたかったので
おかしいことをおかしいと言うのではなく、
どこがどうおかしいからこうしたら良いよと提案できるようになりたかったし
おかしいことは実は部分的に良かったから伝わったけど
本当はこういう意味だよと時ほぐして説明できるようになることを目指していました。
そこから先がまた長かったのですが。。。

長い時間がかかりましたが
今、ようやく、その一端が叶うようになったので
言語化できる範囲で言語化したのが本書です。

かつて、困っていた時の私が欲しかった内容が詰まっています。
今、困っている方はぜひお手に取ってみてください。


注射でAβ除去!CARアストロサイト療法


「IT media NEWS」に
アミロイドβを除去する新たな治療法がサイエンス紙に掲載されたという情報が掲載されています。

アメリカのワシントン大学などに所属する研究者らが
1回の投薬治療で脳内の細胞自身に持続的なAβ除去が可能な
新たな治療戦略「CARアストロサイト」療法を開発し
アルツハイマー病のモデルマウスを用いた実験で
Aβの有意な減少や予防効果もみられたとのことです。

がんの治療を応用して脳の免疫を高める仕組みとのこと。

詳細は「IT media NEWS」の下記の記事をご参照ください。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/03/news026.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20260407&utm_term=013&utm_content=rel1-0

遂行機能障害を踏まえた靴の工夫


認知症のある方の手続き記憶が保たれやすいのはご存知の通りです。
靴の着脱が部分的にできて部分的にできない方の場合、全介助となってしまいがちです。
例えば、ある方の場合
足入れが可能でベルトもきちんと留めることができて踵もしっかり入れることができていました。
ただ、靴のベロの部分(足背に当たる部分)が中に入り込んでしまって
うまく処理できないこともありました。
このような場合、後になってから足元に違和感を感じてイライラすることもあるし
ベロの部分ができていないからと、いきなり全介助してしまう職員も出てきます。
それはもったいないなぁ。。。と思ってしまいます。

じゃあ、どうするか
ここが問題なのですが
動作を促す声かけをしても
言葉という聴覚情報をもとに動作を修正するということが難しいケースが多々あります。
職員が援助する際に「言葉だけに頼らない」という姿勢が大事です。
私は「対象に工程を語らせる」工夫をしています。
  
このかたの場合、遂行機能障害で言えば
 意図・計画・立案 可能
 実行・評価    可能も 修正が困難
 目標保持     可能
という状態を示しています。
ということは
修正せずに行えるような環境であれば動作の自立が叶うということを意味しています。

そこで、ベロの部分を操作を最小限にする工夫を考えてみました。
次の写真をご覧ください。


ベルトの部分とベロの部分(赤い線で示した部分同士)をあらかじめ縫い合わせます。
この時にあまり大きく縫い合わせてしまうと足入れが困難になってしまいますから
そこは気をつけます。
縫い合わせると下の写真のようになります。
上の写真とは左右逆になりますが


足入れもできる、ベルトも留めてもらえる、踵も入れられる
介助を受けずに、かつ、自分一人でもきちんとベロが丸まらずに靴を履けるようになりました!

介護シューズも今は多種多様なタイプが販売されるようになりましたが
それでもやっぱり市販の靴では間に合わないというケースもよくあります。
ご家族が新しく購入された靴が浮腫んでしまって合わないような時には
靴のタイプによりけりですが、靴ベルトの延長で済むケースもあるので
靴ベルトの延長とかよくやっています。

案外、普通の縫い針で縫えてしまいますが
実際に作る時には、針で指をつつかないようにお気をつけください。

シンポジウム「福祉を科学する」を視聴しました


神奈川県の黒岩知事と首藤副知事は凄い!と思いました。

昨年、「福祉を科学する」というシンポジウムが開催されました。
黒岩知事自ら「福祉を科学する」をテーマに掲げるに至った経緯を
非常に率直に語られています。
津久井やまゆり園での事件が起きた時に
「現場が大事」とすぐに現場へ向かい、その後も再訪をし
複数の利用者を尋ね謝罪されたエピソードが語られています。
そのエピソードを聞いて知事のお考えの一端に触れることができて
非常に信頼できる方だと実感しました。

また、首藤副知事は厚労省にお勤めだった医師でもあり
医師の知見を行政サービスで発揮されて来られた方でもあるので
お話の内容が非常に明確で説得力があります。

その他にも
当事者研究を進めている熊谷 晋一郎 氏
ウェルビーイングを研究されている前野 隆司 氏
学校や刑務所、行政機関で働く作業療法士の紹介を大嶋 伸雄 氏
死後解剖だけでなく生体の受傷原因究明にも関与されている井濱 容子 氏
のお話もあり、非常に密度の濃い深い話が聞ける素晴らしいコンテンツです。

後半のモデレーターを知事自ら勤められていることからも
知事の真摯さが伝わってきます。

YouTubeで視聴できます。
神奈川県のトップが絵空事ではなく具現化のために考えていることに触れることができます。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dn6/nakai_verification/dokuritsugyouseihoujinn_symposium.html

どの分野で働いていたとしても視聴をお勧めします。

身体が傾く時には臥位のポジショニングを見直す


たぶん、生活期にある方への対応として
実践している人は少ないと思いますが
車椅子座位で身体が傾いてしまう方には
臥位での筋緊張とアライメントの確認が必要です。

車椅子で身体が傾いてしまう方に対して
クッションを傾いている側に入れたり
座面を傾けたりする人もいるようですが
「傾く→クッションを入れる」
「傾く→座面を高くする」
といったような単なるハウツーで済ますのではなく(考え方の問題)
しかも、それらで効果がないのだから(結果を出せていないことに向き合う)
姿勢改善という結果を出せるように
「身体が傾いてしまう必然」をきちんとアセスメントする
ことから始めましょう。

座位で身体が傾いてしまう場合に多いのは
骨盤の可動性が低下してしまって
ちょっとした重心の移動に対して対応できなくなっているというケースです。
そのような場合にまずすべきことは骨盤の可動性を改善していくことであり
単に身体が見た目傾かないように
クッションを入れたり、座面に左右差を作って見た目を整えることではありません。
むしろ、そのようなハウツーによって逆効果となってしまうことすら起こり得ます。

骨盤の可動性を増すために、どうしたら良いのか
なぜ、骨盤の可動性が低下してしまったのか

その必然は人によりけりですが
伸筋群を使って突っ張ることで残された随意性を発揮している場合は
骨盤を後継し股関節を十分に屈曲させることによって
伸筋群の筋緊張が緩和し骨盤の可動性が改善され
結果として座位での身体の傾きが見られなくなるということが起こります。
長期間、不適切な仰臥位をとることで(正確にはとらされ続けてきたために)
適応力が低下してしまった方には積極的に側臥位を儲けるようにします。

現行の養成システムでは
生活期にある方のポジショニングについて
十分な指導を受けたセラピストは少ないのが実情です。
困った時に頼りになる助言者がいないと
課題解決へ向き合い続けることがしんどくなって
いつの間にか、課題に向き合うことを回避し
課題があるという現実を歪めてしまったりすることもあるかもしれません。

そのような在り方は
当の未熟なセラピストにとっては課題解決の1方法となるかもしれませんが
いったんそのような在り方、自己防衛に染まると
本来の課題解決能力を磨く体験を自ら無くしていくので
経験年数を重ねるにつれ、そのようなあり方から脱却することはできなくなります。
なんちゃってセラピストの誕生です。。。

私のサイトを訪れてくれるような人は
そのような現実を問題視することができて
自身を常に戒めようとするような人だと思います。

周囲に的確に助言してくれる人がいなければ
自身の困難に向き合い続けるのは辛いものです。
かつての私もそうでした。
ですが、諦めずに努力を続けると必ず道は開けます。
自身が見落としていたポイントに気がつくことができたり
何の気なしに読んでいた文章にヒントがあったり
だから、私はこのサイトを公開し運営を続けています。

「何事も始めるに遅くはなし」
「ピンチはチャンス」
「破綻の危機は成長へのチャンス」

私は、人の脳の可塑性の素晴らしさをたくさんの認知症のある方から教えてもらいました。
私たちは現実によって成長成熟の機会を与えられています。
困った時はステップアップの時期でもあります。
もう一度、目の前の方に起こっていることをきちんと観察することから始めましょう!

4月中旬発売予定!「認知症のある方の能力を活かす 事例から読み解く対応の工夫」


三輪書店さんのHPでいよいよ告知されました!
https://shop.miwapubl.com/products/detail/2919

「認知症のある方の能力を活かす 事例から読み解く対応の工夫」が刊行されます (^^)/

目次をご覧いただければ
ありそうでなかった盛りだくさんの項目が並んでいることがおわかりいただけると思います。

基本的な構成としては
事例の言動を提示して、そこに反映されている症状や障害を読み解き
対応の工夫の考え方と具体例を説明するという構成になっています。

たぶん
専門的知識のある人でもそうでない人にとっても
どの職種の人にとっても
きっと読みやすくてわかりやすくて腑に落ちる内容になっていると自負しています。


ぜひ、お手に取ってご確認くださいm(_ _)m

足こぎ車いすの工夫

車いすを足でこいで移動する方の中には
浅く座ってしまい足こぎすると前方へ転落しそうになってしまうとか
足が疲れて前に踏み出せないというケースもあるかと思います。

そんな時に考えた工夫がこちらです。

車いすの足元に伸縮性のあるベルトをつけて
マジックテープで足を傷つけないようにフェルトで覆いました。


膝が過剰に屈曲するのを防ぐこともできますし
素材として伸縮性のあるベルトを使っているので
前に踏み出す動作を助けてもらえます。

こちらの場合、上の伸縮ベルトを2本くっつけたのを2組使用しています。
フェルトも100円ショップで購入しました。

ポイントは、伸縮性のある素材を使用したことです。