
ギョーカイ用語となっていますが(^^;
「認知の人」「あの人は認知があるから」
って言う人、案外多いですよね〜。
もちろん、状況から「認知症のある方」を指して言っているんだということはわかります。
でも、「認知の人」「認知があるから」って、とてもおかしな言葉です。
実際に一般の方から指摘を受けたこともありました。
ある機関の依頼で公民館に行って認知症関連の講演をした後で
「ちょっと質問してもよろしいでしょうか?」
「最近、認知の人、認知のある方って言葉をよく聞きますが
それって変な言葉ですよね?」と言われたのです。
まさしく、まさしく!
認知あって良いじゃないですか?
認知なかったら困りますよ。
言葉と概念が真逆になっているのに疑問を感じることができないから言える言葉だと思います。
この話をした時に
ある養成校の教員は「学生が実習から帰ってくると高次脳の人、高次脳のある方って言い始める」
って教えてもらったこともあります。。。
CVAの人、骨折の人、なんで形容詞化するかなぁ。。。
言葉を大切に扱う、ということは
概念を大切に扱う、ということでもあります。
実際、「認知の人」「認知のある方」という言葉を話す人で優秀な人に会ったためしがありません。
だから、五角形模写テストや立方体透視図模写テストをしても
構成障害を明確に説明できなかったり
トレイルメイキングテストをしても
遂行機能障害を明確に説明できなかったりするんだろうなーと思ったものです。
それじゃあ、テストはできても目の前に起こっていることを見ても
構成障害がどんな風に反映されているか
遂行機能障害がどんな風に影響しているか
観察できるわけがない。。。
英語は「人」と「病気」をちゃんと分けてるんですよね。
People who have Dementia
People with Dementia
ギョーカイ人だと、結構、形容詞化して使っている人多いです。
「認知症高齢者」
「徘徊する人」
「BPSDの激しい人」
「溜め込んで(食事を)飲み込んでくれない人」
有効な答えを求めるには
実は適切な問いを立てることが必要で
どうしたら良いかわからなくて困っている場合に
問いが適切でないから答えが出てこない
と言うケースが圧倒的に多いものです。
概念の取り扱い方、本質を理解するって
地道な一つ一つのことがちゃんとつながっています。
だから、逆に言えば
何か、一つ、きちんと考え直すことによって
臨床実践がガラッと変わることも起こり得るんじゃないかな?
もう一回、基本に立ち返って
組み立て直す時期が来ているんじゃないかと考えています。
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