車椅子離床時のポジショニングは
端座位をとっていただいて確認しています。
どのような介助をしたら(どこを支えれば)端座位が取れるのか
支えた部分にクッションや巻きタオルを設置しています。
明らかに介助端座位をとることが難しい方は
ティルト型車椅子に座っていただいて
(1)前から見て(2)左右両側から見て姿勢確認をします。
まず、第一に確認するのは
車椅子との不適合がないか、どうかです。
特に、座面の奥行きと乗車する対象者の方の大腿長が不適合だと
臀部の前方への滑り座りを惹起させることになりますので要注意です。
可能であれば
対象者の体格と車椅子座面の横幅が大きく異ならない方が良いと思います。
現実には選択肢が限られていることの方が多いと思いますので
対象者の体格よりも車椅子座面の横幅の方が大きい時には
側面をクッションで補助するなどの工夫で補います。
最後に
対象者固有のポイントに対処します。
普通型車椅子に乗車可能な方で
拘縮によって脚長差があれば修正するのではなくて
脚長差があっても上位の体幹に影響が及ばないようにポジショニングを設定します。
普通型車椅子で体幹が側方に傾いてしまう方の場合には
表面的に傾きに対処するのではなくて
端座位の状態をよく観察して、端座位での対応だけでは困難な時には
ティルト型車椅子でティルトを少し傾けた状態にすると
体幹の傾き以外の本来のその方の座り方を観察することができるので
そこを観察して対処します。
気をつけなければならないことは
車椅子上で傾きがある方に対して
クッションを入れ込んだりすることはしても
臥床時のポジショニングを疎かにしてしまいがちなことです。
車椅子上で身体が傾いている方というのは
体幹が低緊張か高緊張かのいずれかですが
臨床的には高緊張の方の方が圧倒的に多いです。
臥床時のポジショニングを設定しただけで
車椅子座位での傾きがなくなるというケースを多数経験しています。
ただ単に車椅子座位時に傾いている側にクッションを当てこむような
表面的な対応からは卒業しましょう。
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