
認知症のある方の話を聴く時に
認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱するようにしています。
たとえば
「家に帰りたい」と言われたら
「家に帰りたいんですね」
「財布がない」と言われたら
「財布がないんですね」
と認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱します。
そのあとで、「それで急いでいたんですね」「それで困っているんですね」と言葉を継ぎます。
クレーム処理の本を読んで時に
「相手の言葉を復唱してから答える」と書いてあるのを読んだ記憶があります。
あなたの言ったことを受け止めましたと言外に伝えることができます。
そう言われてみれば、クレーム処理ではないけれど
品物を注文した時のコールセンターの対応は、
こちらの電話番号の確認の時に
私が「ご、さん、の」と言えば
相手も「ご、さん、の」と確認してきますし
私が「ごじゅうさんの」と言えば
相手も「ごじゅうさんの」と言う人がほとんどです。
声かけの最初は
相手の言った言葉を使って復唱するようにしています。
その後、話を聴きながら
相槌を打ったり、合いの手を挟んだり
時には、相手の話と同じ内容を違う表現で言い換えるようにしています。
「お父さんの先生が亡くなられたから早く行かなくちゃ」
「お世話になった方だから不義理なことはできない。
それで急いで行こうとしていたんですね?」
「財布がどこにもないのよ!」
「大事なお財布が見つからないくて困っているんですね」
この1クッションを置くことで
「この人は私の言っていることをちゃんと聴いてくれる」
と思っていただけます。
会話のキャッチボールを強調して伝えることができます。
言葉は相手に伝わってこそ、言葉として機能します。
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