見当識障害?視空間認知障害?


見当識には
日時、場、人物の見当識があり、この順序で低下していくと言われています。
今がいつで、ここがどこで、あなたが誰か わかるのが見当識です。

雨降りなど薄暗い日だと日中でも夕方と誤認したり
進行すると自宅にいるのに「家に帰る」と言ったり
ご家族をご家族として認識できなくなったりします。

一方、視空間認知障害とは
空間の相対的な位置関係の認識が低下することで
自分の部屋と食堂の位置関係がわからなくなったり
進行すると自宅の中でトイレから自室に戻れなくなることも起こります。

アルツハイマー型認知症では
視空間認知障害が起こることが多いので
自室の位置を覚えられないこともよくありますが
一方で、前頭側頭型認知症では
かなり進行したケースでも自室の位置を覚えていることはよくあります。

それぞれの疾患ごとに障害の現れ方は異なるし
同じ人でも状態が変動することもよくあります。
それぞれの方の状態をよく観察して
その都度の状態に即応できるように
少なくとも、場の見当識低下と視空間認知障害を混同しないようにしたいものです。

 

コメントを残す

メールアドレスは公開されません