幻視?錯視?


幻視とは、事実として目の前にないものが見えてしまう状態で
錯視とは、事実として目の前にあるものを見間違える状態です。

例えば
真っ白い何もない壁を指さして「あそこに子供がいる」
というのは、幻視です。
カレンダーをかけるフックが壁にあるのを指さして「あそこに虫がいる」
というのは、錯視です。

ところが、ここを混同、誤認している人ってたくさんいます。
研修会の講師が錯視への対応なのに「幻視への対応」と紹介していたこともありました。

特に、レビー小体型認知症では、幻視も錯視も起こります。
幻視は、ありありと見えて現実との区別がつかない程なのだそうです。
ある人は、幻視か現実か迷った時にはスマホのカメラで撮影して
写っていなければ幻視だと判断するようにしている、とおっしゃっていました。

錯視については、原因となるものを撤去したり
見間違えないような環境調整を行います。
例えば、夜間に豆電球をつけたまま就寝する人で
電灯の傘の模様が小人に見えて怖がって眠れない、というケースでは
電灯は消してもらい、その代わり常夜灯を少し離れたところに設置してもらったことがあります。

認知症の普及啓発は確かに進んできたと感じていますが
一方で研修会では、いろいろな人がいろいろなことを言っています。
残念なことに、そのすべてが適切とは限りません。
不適切な知識、誤った知識を誤習得しないように自戒するしかありません。
そのためにも、講師の話にはきちんと耳を傾け本質を理解できるように
真贋を見分ける眼を持つように心がけたいものです。

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