誤解しやすいBPSD?せん妄?身体不調?


せん妄をせん妄として認識できないと
打つべき手立てをできずにせん妄を遷延させてしまう恐れがあります。
そして、それをまたBPSDと誤認したりしがちです。

高齢者は容易にせん妄に陥ります。
認知症があればより一層陥りやすくなります。

高熱や脱水、便秘などの身体的不調が原因で
疎通困難になったり怒りっぽくなったり拒否的になることも多々あります。
認知症のある方がせん妄を合併することもよくあり、鑑別も難しいと聞きますが
BPSDとせん妄は違うということは理解しておく必要があります。

せん妄とは意識障害です。
急性・亜急性的に発症し、症状に変動があります。
準備因子・促進因子・直接因子があり
準備因子とは高齢、認知症、脳血管疾患、感覚障害などその人が持っているせん妄になりやすい背景因子のことです。
促進因子とは、環境変化、感覚刺激の遮断や減少、睡眠不足などせん妄を誘発・促進する要因のことです。
直接因子とは、感染症や薬物、電解質異常などせん妄の直接的な原因となるものを指します。

認知症のある方は、せん妄から離脱していく時に
一気にスパッと良くなることはあまりありません。
良くなったり悪くなったりしながらも緩徐に改善を続け
ふと気づくと「あれ?最近落ち着いた?」というケースも多いものです。

せん妄のある方に対しては、第一義的に非薬物療法が推奨されています。
まず、日光浴をしていただきましょう。
ガラス越しでも良いし
日中は電灯をつけ明るくしましょう。
これだけでも改善される方は多いものです。

カレンダーや時計など
環境の手がかりとして、日時の目安となるものを置いておくことも大切です。
今日がいつなのか、わかりやすくするために
私は付箋紙を使って 矢印 を貼るようにしています。
付箋紙ですから貼り直しが容易なので1ヶ月は使えますし
作り直しも簡単です。


このカレンダーを使用していた方は、過ぎた日付を意識する必要がなかったので 
✖️印をつけていますが、人によっては✖️印はつけない方が良い方もいますので
それは、その人それぞれの状態を把握してご検討ください。

普段と様子が違ったら
まず身体的不調の可能性を確認。
次に経過の確認。
そして不合理な言動を具体的に把握することがポイントです。

実際には
これらの過程をすべてすっ飛ばして
見た目の、大声や混乱だけを問題視して
その場を収めようとする
。。。まだまだそのような対応が圧倒的に多いことを残念に思います。

コメントを残す

メールアドレスは公開されません