あちこちで
筋緊張が亢進した手指に対して
スポンジを握っていただくと有効!という記事を書いています。
ガチガチに硬くなってしまうと
手指を開排することができず
清潔保持が困難になってしまい
爪切りが大変になったり
臭いがひどくなったり
更衣の時に袖通しが大変になってしまいます。
もちろん、常時過緊張状態なので
ご本人が痛みで苦痛な状態を脱することが困難になってしまいます。
ひどくなると
手関節が掌屈位で前腕回内してしまい
自身の手で胸部を圧迫するような状態になり
手指だけでなく胸も痛いということも起こります。
どんなに辛いことでしょう。
このようなケースって
実は過去に不適切なROM-Ex.を受けた結果だったり
巻きタオルや市販されている手指の拘縮予防クッションを不適切に使用した結果だったりします。
最近は流石に少ないと思いますが
私が若い頃には肩甲骨を動かさずにいきなり肘を伸ばすセラピストが結構いたのものです。。。
でも、そのような状態の方でも改善は可能です。
もちろん、強直してしまった関節を改善させることはできませんが
筋緊張の問題には対処可能で思っていた以上に可動域を改善させることができます。
どんなに強い亢進状態でも
どこかしら手指の間に隙間ができるので
その隙間に合わせてスポンジを挟みます。
ここで大切なことは
最初からいきなり良肢位、最善、最大可動域を狙わないことです。
段階的な改善を目指します。
でないと、過去に受けた不適切なROM-EX.と同じことをしてしまうことになってしまいます。
末梢を過剰に伸展させると中枢の屈曲を生じさせてしまうからです。
その方のその時の手指の状態に合わせて
優先順位を明確にして
スポンジを再作成していきます。
手指の形にスポンジの形を合わせることも大事ですが
同じように大事なのが、スポンジの反発性を適切に選ぶことです。
以前は
100均の台所用スポンジで作っていたのですが
お気に入りのスポンジが販売終了してしまったのと
男性など手の大きな方には適さないので
最近では車の洗車スポンジをよく使っています。
オートバックスやイエローハット、アマゾンでも購入できます。
お気に入りは、こちらのふたつ
黄色と黒色のツートンカラーのスポンジは反発性が高く
黄色のスポンジは、やや弱目になっています。
他にも多様なスポンジが販売されていますが
お店で購入するときに必ずスポンジの反発性を確かめてから購入していただきたいと思います。
中には反発性が弱くてスポンジセラピーには適さない商品もあります。
(元々の商品の目的が洗車なので当然ですが)
こちら↑のスポンジは
購入時には反発性がそれなりにあるのですが
(上記二つの商品の中間くらい)
水で洗って乾燥するとカチコチに固くなってしまいますので
スポンジセラピーには適しません。
(その代わり、スプーンの柄を差し込んで持ち手の工夫をすることがあります)
長期にわたって過緊張状態が続いていたような方
とりわけ、不適切な介入が続いていたような方に対しては
最初は、gentleな介入から開始します。
小さめに作って握りつぶされるくらいで構いません。
それでも筋緊張や可動域に変化を感じられると思います。
その後に優先順位を決めて反発性の高いスポンジを作成し
状態を確認しながら最終形態を決めていきます。
また、当然ですが
身体はつながっていますので
前提として、適切な全身のポジショニングが必須です。
どんなに適切なスポンジを提供できても
全身のポジショニングが不適切であれば効果が半減してしまいます。
適切にスポンジを作成・提供することができれば
ROMーEx.に時間を取られることなく、次のステップに進むことが可能となります。
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