手段の目的化を脱却→目的達成の確認


これは、ありとあらゆる場面に通底している課題ですが
ポジショニングについて、最もわかりやすいカタチで反映されています。

生活期にある方のポジショニングは
過剰な筋緊張の緩和が最優先事項です。
筋緊張が緩和するから、
結果として可動域が改善され、
その結果としてオムツ交換や更衣がお互い楽になります。

ところが
現場あるあるなのは
筋緊張緩和という過程をすっ飛ばして
結果として起こる可動域拡大を表面的に行い
「手段を実施すれば目的達成したことになる」という思い込みから
手段の目的化、目的達成の可否の未確認という状態になっていることに
気がつけずにいる人が少なくないことです。

問題は
・設定前に対象者の身体のアライメントがどうなっているのか確認しない
・最大可動域目一杯にクッションを当て込む
・設定後に対象者の身体に改善があったかどうか確認しない
というところに反映されています。

臨床的に為せと言われてきたことを為すだけで
自身が為したことで目の前にいる方の身体にとってプラスの変化が生じたかどうか確認しない。

こういう時にはこうする
というパターン化された思考回路が一番の問題だと考えています。
もはや、思考ですらありません。
こうすればああなる というはめ込みです。

だから
食事介助に関して
「ためこんで飲み込んでくれない」
「口を開けてくれない」
という質問が相次ぐし
対応の工夫で
「帰宅要求のある方に対してどうしたら良いのか」
「立ち上がりが頻回な方に対してどうしたら良いのか」
という質問が相次ぐのだと考えています。

まずは、観察しなければ
目の前にいる方がどうやって食べているのか

目の前にいる方の身体の状態を

そして、自身の実践の適否について確認しなければ

と言うか、確認しないでよく平気でいられるなぁって思いますもの。
自身の実践が本当に適切だったのかどうか、私は心配だから必ず確認せずにいられません。
ポジショニングだったら、必ず毎回、設定後に筋緊張の緩和を確認しています。
そんなの1分もかからずにできます。
食事介助だって介助しながらその都度食べ方の変化を確認しています。
そんなの特別な時間を設けなくても介助場面で常にできることです。
意思さえあれば。

大昔にある人から教えてもらったことですが
作業療法士に「今やっていることがどういう効果があるのか」尋ねたら
「こっちは治療としてやってるんだから文句を言うな」って言われたんだそうです。。。
いやいや、治療としてやるのは当たり前
その効果を聞かれたんでしょうに。。。
(関連して書きたいことはヤマ程あるけど、この記事の趣旨から外れるので置いておいて)

良かれと思ってやったことが、適切だったかどうか
良かれと思ってやったことが、逆効果になることなんてヤマ程あります。
確認しないで怖くないのかな?

ポジショニングは、結果が一目瞭然に現れます。
だから、自身の関与の適否について一番確認しやすい場面です。
もしも、思ったような効果が出ていないのであれば
それは、関与に何か問題があったことを示しています。
多くの場合に、どこかしらに見落としがあるものです。
そこを見つけて再設定して再確認すれば良いだけです。
つまり、PDCAをきちんと回すということを体験学習しやすいのがポジショニングなのです。

ポジショニングの一連の過程を体験学習するということは
下支えしているメタ認識をも体験学習するということになります。

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