高齢→筋力低下→廃用 といった論調は
一見正当のように見えるので
リハやケアの分野では流布している考え方ですが
疑問を抱いた方はいませんか?
高齢者に「立ち上がり」をリハプログラムとして提供している方は
本当にMMTをしましたか?
MMTがどの段階であれば筋力低下で、どの段階であれば筋力OKなのでしょうか?
私は過去に複数のALSの方を担当したことがありますが
筋力低下とは、まさしく力が入らない状態です。
CVA後遺症や認知症のある方など生活期にあって
「筋力低下」と判断された方々との状態は全く違います。
見た目、結果として「立てない」=筋力低下 ではありません。
生活期にある方の場合に
立ち上がり時に腰背部の筋肉が同時収縮を起こしてしまって
気持ちは立ちたくても、身体が立てないように機能している例は枚挙にいとまがありません。
筋力が低下しているのではなくて
筋力の使い方が下手になっているのです。
以前、老健に勤務している時に
担当のPTが個別リハをやっていましたが
立ち上がりが自力で行えず、ずっと介助されていました。
ところが、私が座る練習だけして、立ち上がりは全介助で行ったら
一人で立ち上がれるようになって「あれ?立てた?」と驚かれたことがありました。
同じようなケースはたくさんありました。
老健ですから、個別リハの他にも生活リハとして
食事やおやつや排泄介助の時にも立ち上がれるように援助がなされます。
一日何回になるでしょう?
廃用ではないんです。
身体の使い方を教えなければ
立ち上がり100回なんて、効果がないどころか逆効果になってしまいます。
リハやケアの分野では
一見正当そうに見えて、その実不適切なことが流布しています。
「立ち上がり100回」もその一つです。
今すぐにそんなことはやめて、「座る練習」を取り入れていただきたいと思います。
「座る練習」でのポイントは重心の移動方向を適切に導く ことです。
力を入れない、踏ん張らない、身体の動きと重さを活用することがポイントです。
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