意思疎通困難な方が食べられるようになると
意思疎通も改善するということは多々あります。
食事介助を単に
「食べさせる」「口の中に入れる」こととして実施している人には
決して遭遇できないことですが
食事介助を本当に
「食べることの援助」として実践している人は
何回も遭遇しているはずなんです。
食事摂取困難、食事介助困難な方の場合に
「食べることの援助」をするということは
認知症のある方が
食塊や食具やスプーン操作、声かけといった
「環境」をどのように感受し、認識し、適応しようとしているのか
ということを介助者が的確に感受・認識・対応することを意味します。
つまり、環境適応の援助を食事場面で行っているわけで
食べられるようになった
=環境適応力の再学習ができた
=意思疎通の能力発揮も改善した
ということを意味しています。
「ご自分の世界に閉じこもっている」
と言われた方が
食べられるようになった時に
退室の挨拶をしたら
「どうもありがとう。気をつけて帰るんだよ。」
と言われたことがあります。
このようなことは枚挙にいとまがありません。
誤解を恐れずにはっきりと言えば
食事介助する人の知識と技術と観察・洞察の深度に応じて
認知症のある方の食べるチカラを引き出すことができるのです。
同じヘアカットでも
普通の美容師とカリスマ美容師とでは
仕上がりが全然違うように
同じ食事介助でも
バックグラウンドにある知識と技術と観察・洞察の深度によって
得ている情報量とその質と対応はまったく違うんです。
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