情報収集の際には
必ずご家族お話を聞いたり
関係職種の記録を参照しますが
決して鵜呑みにはしません。
困っている場面を必ず自分の眼で観て確認をします。
知識がないために誤認したり見落としていることもあるからです。
また、暗黙のうちにご本人との関係性からその人が優先したい事項があると
優先事項の観点から誤認していることもけっこうあります。
「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。
多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない。」
ユリウス・カエサル
まさしく。。。
「もともとはお茶が好きだったけど
認知症になってからはお茶が嫌いになって」
「水分は拒否する方です」
水分補給の時間に確認してみたら
コップを手に取り、眺めているうちにひっくり返し、こぼしてしまったことに驚いています。
介助で飲んでいただこうとすると顔を背けてしまいます。
コップがわからない、扱えない
パッケージにオレンジの写真が撮影されている紙パックのジュースを買ってきて
ストローを刺した状態で手渡すと
一瞬の間を置いて、一気にごくごくとジュースを飲み干しました。
お茶を淹れたコップにストローをさして手渡すと
ストローからごくごくとお茶を飲み干しました。
お茶が嫌いなんじゃない
水分を拒否しているんじゃない
ご家族が「お茶が嫌いになって」と言うからには
ご自宅で使い慣れた湯飲みでもお茶は飲めなかったのだと思います。
認知症は
病状によっては、失行をきたす場合があります。
観念失行があると
手は問題なく動かせるのに、道具の使用ができない という症状が現れます。
知識がないと
見れども観えず になってしまいます。
特に、認知症のある方の場合には
気持ちのせい(嫌がる、拒否する)にされて
誤った評価、誤った対応が為されがちです。
必ず
事実を事実としてありのままに観察する
という臨床実践が最も重要です。
最近のコメント