参加者限定ではありますが
オンライン研修会の準備を始めています。
主催者は、JA長野厚生連作業療法士研究会。
テーマは、目標設定と認知症。
私を講師に推薦・依頼してくださった担当者のKさんが
私が言いたいことをピンポイントで理解してくださっているのが嬉しかったです。
まずは、目標設定。
目標設定の研修会ってありそうでないんです。
正確に言えば、一部あるにはありますが
目標を目標というカタチで設定できることを目的とした研修会は、まずありません。
みんなそんなの簡単!って思ってるんですよね。
ところが、どっこい。
臨床家で本当に目標を目標というカタチで設定できている人って
実はすごく少ないんです。
目標じゃなくて方針だったり
目標じゃなくて目的だったり
目標じゃなくて治療内容だったり。。。(^^;
だから、学生や若手にどうしたら目標を目標というカタチで設定できるようになるか
具体的に明確に言葉で教えられる人が少ないのです。
作業療法総合研究所さんの主催で
何回か目標設定の研修会を行ってきました。
「良い作業療法士になるために〜目標を目標として設定できる」
「対象者の方と協働して良い目標が設定できる作業療法士になろう!」
「良い目標が設定できる作業療法士になろう!ー概念篇」
認知症をテーマとした研修会の講師として
私を招聘するにあたり、ネットで検索したところ
上記にいきあたり、「普段漠然と疑問に思っていたことを言葉にしてくれた」ということで
あわせてご依頼がありました。
いやー嬉しかったですね。
こういう地味な、でも本質的なことの必要性を認識している人が他にもいるということがわかって。
現状のOTの課題というのは
極論すれば、目標設定と評価が不十分なことだと私は考えています。
自分自身でPDCAを回せない、自己修正できない、だから結果として漫然としたリハになってしまうし
それは目標を目標というカタチで設定できないと、PDCAを回そうとしても回せないんです。
ちなみに
「目標とは何ぞや?」
この問いに即答できなかった人は
目標を目標というカタチで設定できていない。ということですよー。
もう一つ
検査はできても評価のできない作業療法士は少なくありません。
構成障害や遂行機能障害の検査はしていても
「構成障害とは何ぞや?」
「遂行機能障害とは何ぞや?」
と問われて明確に言葉で即答できる作業療法士は多くありません。
いわゆる大御所と言われている人だって検査と評価を混同していることも多々あります。。。
だから
声高に理想を叫んでも
その理想を具現化するための道筋を明確に言葉で示すことはできずに
いきなり実践例を示すことしかできないんじゃないだろうかと考えています。
研修会なんかでも
やたら症候論は詳しいけど
実際の評価の道筋となると、バッテリーの紹介にすり替えられてしまう。
そしていきなり実践例の提示。というパターンがやたら多いんですよねぇ。。。
これじゃあ
真摯な人はガッカリするでしょうし
とりあえず(臨床現場では何とかしないといけないから)ハウツーで凌いで、
その積み重ねを繰り返すしかなくなっちゃうんじゃないだろうか。。。
どこかでおかしい、これじゃいけない、と思いつつも
どうしたら良いのかわからない、まともに向き合うことが怖くて回避してしまう。。。
「わかっていても言葉にするのは難しいよね」
「やってるうちにわかるようになるよ」
なーんて内心胸の痛みを感じながらも後輩に言っちゃったりして。
そのうち最初は感じていた胸の痛みを忘れてしまって笑いながら言えるようになったりして。
そういう人たちにも伝えたい。
ちゃんと「道」はあるよ。って。
私の提案はBestではないかもしれないけど
おそらく現時点ではかなりBetterな考え方と方法論だと思っています。
今すぐには難しいけど
こちらのサイトにも概要を掲載できれば。と考えています。
2 comments
本日は、貴重なご講演ありがとうございました。私は、総合病院の精神科で重度認知症デイケアを担当しています。
気持ちとしては(これは願望ですね)、今のご家族との生活が出来るだけ長く続けえばいいなと、思っています。しかし、今日の先生のご講演を聞いて、もう少し具体的に、どうしたらそれが実現できるのか、どの能力が保たれていけばそうなるのか、とか、もっとこの人らしさを保っていく方向を考えたほうがいいのかなと考えさせられました。難しくてまだすぐには自分に落とし込めないと思いますが、がんばりたいなと思うことが出来ました。ありがとうございました。
Author
karasawaさん
コメントありがとうございます。
>がんばりたいなと思うことが出来ました。
良かったです(^^)
努力すれば願いが叶うとは限りませんが
努力したことが無駄になることは決してありません。
karasawaさんのこれからを応援しています。