認知症のある方へのActivity 現場あるあるの誤解


「何もしないと認知症が進行するから何かやらせないと」
「徘徊しないように何かできることない?」
希望を尋ねたら「やりたいことなんてない」と言われた
やりたいことを提供したらできなくなっていた
「できないところは一緒にやるから大丈夫」

OTだったら、
これらの言葉は一度は経験のある、
他職種から言われたり、自身でも言ったりしたことのある言葉だと思います。

認知症=忘れてしまう
という知識は一般の人にも知られるようになりましたが
認知症の症状は記憶障害だけでなく、遂行機能障害や構成障害なども出てきます。

遂行機能障害や構成障害という言葉を聞いたことのある専門職は多けれど
実際のさまざまな場面の中でそれらの障害がどんな風に反映されているのかを
的確に観察・洞察できる専門職は残念ながら非常に少ないのが現状です。

「OTはActivity!」と公言している人も少なくありませんが
だったらちゃんと実践しようね。と思ってしまいます。。。

私の講演を聞いてくれた人の感想でよくあるのが
「評価しているつもりだったけど、全然できていないと思った」
「ちゃんとやってるつもりだったけど、まだまだだと思った」

というものです。
上には上がいる。ということを知らずにいたということなんです。。。

たぶん、身近に良きお手本がいないんだろうとも思います。
つまり、養成の問題なんですよね。。。

もしも、卒前養成できちんと教えてもらえていれば
良きお手本となる先輩がいない施設に就職しても自分自身で成長していける。
もしも、卒前養成できちんと教えてもらえなかったとしても
良きお手本となる先輩がいる施設に就職すれば自分も成長していける。
もしも、卒前でも卒後でもきちんと教えてくれる人に遭遇しなかったとしたら。。。?
過剰に理想論・抽象論を語ることで(「語り=騙り」と喝破したのは河合隼雄です)
自己防衛をするしかなくなってしまうのかもしれません。。。

私の講演は「いつも具体的で実践的なお話」と感想を寄せてもらいますが
理想は語るものではなく実現していくものです。
OTでも他職種でも理想を語りたがる人はいても
どのように具現化していくのかを具体的に伝えられる人はそうそういないものです。
  少なくとも私は高名な人たちの話も聞いてきましたが、勉強にはなりませんでした。
  他山の石としての学びはありましたが

その区別ができないのなら仕方ありませんけど。

理想を具現化するための基本的な考え方と事例をもとにした具体的な実践例
そして実践に際して気をつけるべきポイントについてもお伝えすることができます。
臨床現場で困っている人にぜひ聞いてほしいと思うのが
5月24日に開催される「Activityの研修会」です。

困っている渦中の人は辛いと思いますけれど
困るということは決して悪いことではなく成長への機会であって
困ることができるレベルにあるということでもあるんです。
OTの中には(他職種も同じですが)困ることすらできない人
自分が困らないように他者を貶める人(その中に対象者も含まれる)もいますから。

今回の研修会は対面研修ですから
(いずれオンラインでも開催するつもりですが)
遠方にいて参加できない方のためにも
こちらで、Activityの問題について書いていこうと思います。

 



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