点と点が線になる

スティーブ・ジョブズの言葉に「Connecting the dots」という言葉があります。
2005年6月にスタンフォード大学の卒業式で
「将来を予想して、点(知識や経験など)と点をつなぐことはできない。
 後々の人生で振り返った時にしか、点と点をつなぐことはできない。
 今やっていることが、将来、自身の役に立つ(点と点がつながる)と信じて取り組みなさい。」
とスピーチしたそうです。

本当に点と点はつながるんです。

私が作業療法士として働き始めた当初
減ることなく日々増えていく「To Doリスト」を前にして
焦るばかりだった自分を覚えています。
後年になって「よっしーさんは仕事が早い」と言われるようになるなんて思えなかったし
ましてや、自分が人様の前でお話をしたり、本を上梓するようになるなんて
夢にも思っていませんでした。

もっと遡ると
高校生の時には児童文化部に所属していて
影絵や人形劇を作って市内の保育園を回って上演するという活動をしていました。
この時に先輩から口酸っぱく言われたのが
「演出は自分で動いちゃいけない。常に全体を見て指示を出せ。」
ということでした。
今思っても良い先輩やOBに恵まれ良き指導を数多く受けました。
それが後年OTになっても活用できる眼を涵養してもらったのだと
当時は知る由もありませんでした。

私が臨床1年目の頃は、今のような民間のセミナー団体なんて全然なくて
OT協会か県士会主催の研修会しかありませんでした。
どのように学んでいいかも自分でわかっていなかったので
手当たり次第に研修会に出たり、本を読んだり、論文を読んだりしていました。
給料は安かったし、古いけどアパートも借りてたし、県の奨学金も返済していたので
漫画みたいだけどパンの耳を食べていたこともあります (^^;
自宅で素ラーメンを食べていて、たまたま尋ねてきた知人に笑われたこともありましたっけ (^^;
そんな風でしたから、研修会に出席しても「モトはとるぞ」精神で
研修会の内容だけでなく、講師の講演の進め方や構成、事務局の運営の仕方なども
その場のすべてが勉強とばかりに見ていましたっけ。
(それができたのも高校時代の部活での体験があったからだと思います)
いつかは自分が講演する側に回るからとか、運営側に回るから
といった意識は皆無でしたけれど、得られるものはなんでも得る!精神でした。
でも、その蓄積が今、本当に自分が講演する側になり、運営する側にもなって
役に立っています。

私がブログを書き始めたのは今から15年以上前になります。
そのブログを読んだ人から講演を依頼されたこともありました。
その後、神奈川県作業療法士会のウェブサイト管理委員会のお仕事をするようになったり
県学会広報部や県士会理事の時に立ち上げた複数のコンテンツの作成を通して
情報発信を学べたことも大きかったと思います。
(失敗もたくさんしたけど)
当時は目の前にある為すべきことをただひたすらやっただけで
後年になって自分でサイトを作って公開する時が来るなんて思いもしませんでした。

いやー本当に何がどう役に立つか、わからないものです。

無駄なことなんて何ひとつありません。
どんなに努力したとしても願いが叶うとは限りませんが、

努力したことが無駄になることなんて決してありません。

点と点は、その時にはわからないくても
必ずや線になるし
その線もカタチを変えてより太い線になったり面になり立体になったりしていきます。

これからも
新たな点を作っていくことになるだろうし
新たな点と作られた多数の点を結んでどんな線ができるのか
ワクワクドキドキしていますし
作られた線の意味や点の意義を振り返って
思い出を味わったり、新たな発見を見出したりするのも
これから老いを迎える私個人としての新たな楽しみ方になるのかもしれません。

 

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