「家に帰る!」

 

 

病状が進行すると
自分の家にいるのに「家に帰る!」と言うこともあります。

「ご自身の実家=自分の家」なので、
「今の家=自分の家ではないという意味になります。

症候学的には
場の見当識が混乱しているということの現れです。

このような状態像が常時起こるわけでもなく
一度現れたからといって継続するとも言い切れません。

  こういった混乱の機序について思うところはありますが
  もう少し整理してから別のところで記載する予定です。
  おそらくキーワードとしては
  不安感、投影、意識の階層性ということだろうと考えています。

対症療法的には
お茶を出して一息ついていただくとか
一緒に歩いて納得を待つ、動作干渉・時間干渉によって忘れていただくと
いう対応が為されることが多いのだろうと思いますが
根本的には
バリデーションが一番有効だろうと思っています。

混乱を納めるためにバリデーションをするのではなくて
混乱するくらい不安な気持ちを安全に表出することを援助することによって
結果として混乱が治まっていくということが大切なのだと考えています。

 

コメントを残す

Your email address will not be published.