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リハビリテーション場面

「認知症がある=身体的なリハビリができない」というのは誤解です。
ポイントを押さえれば、HDS-R3点の方でも0点の方でも可能な方は大勢います。

もともと認知症があって
転倒・骨折してしまった方や
脳血管障害後遺症による片麻痺を発症した方に対する
身体的なリハビリテーションの大原則と現場あるあるの事例について記載していきます。

 

< 認知症のある方への身体的なリハの大原則 >

1)言語理解力を確認する
 
2)記憶の連続性を確認する
 
3)上記1)と2)を踏まえて声かけをする
   例:身体の動きにくさや痛みについて問われなくても事前に伝える。
     伝える頻度は対象者の記憶の連続性を踏まえて決定する。
     対象者が理解しやすい言葉を選択する。
     対象者が使う表現に合わせて声かけする。
 
4)運動麻痺の有無に関わらず
  身体の硬さ・主導筋と拮抗筋の共同収縮について確認する

    認知症の有無に関わらず、生活期の方にとても多い状態像で
    この状態を筋力低下・廃用と誤認されがちです。
    認知症があると、身体の使い方の問題なのに
   「介助に協力してくれない」「介助に抵抗する」「理解できない」
    などと誤認され放置されがちな状態像でもあります。
    この問題についてはまた別に記載します。

5)言葉だけで説明せず、認知症のある方の視覚的理解力に働きかける。
  目で見てわかるような場面設定をする。

6)手続き記憶を活用する
  バンザイ、腕ふり、ハイタッチ、握手など
  下肢のリハ=下肢を動かすとは限りません。
  段階的な立位設定と段階的な上肢の運動を設定することで
  下肢の支持性を高めることは可能です。
 
7)上記の4)がある場合には
  4)への対応を優先し(目標達成のための準備状態を作る)
  その後で動作の再学習を行う。
  「リハをする=心地よい」「リハをした=身体が楽」「リハをした=できた」
  という体験をする。苦行させない。

 


 

< 現場あるあるの事例 >

骨折したことを忘れる

身体が硬い!

帰宅要求のある方に対して(1)

帰宅要求のある方に対して(2)